【エピソード12】「デカ厚」に憑りつかれて購入したパネライ PAM00024

PANERAI
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PANERAI LUMINOR SUBMERSIBLE PAM00024

2007年、この年は私の時計人生の中で大きな転機を迎える。

当時、時計趣味の世界ではややロレックスの人気が落ち着いていた。腕時計がファッションの一つとしてかなり認知されてきていて、スポーツ選手や著名人もテレビの向こうで腕時計を着けているのが目立つようになっていた。腕時計と言っても普通にロレックスでは面白くなかったのだろうか、フランクミュラーやウブロ、シャネルなどが台頭していた。その少し前では「ロレックス以外」と言えばカルティエやブルガリ、オメガに人気が集中していたと思うし、武骨な男の時計と言えばブライトリングやIWCなどが雑誌を飾っていた。そんな中、圧倒的な存在感で爆発的に広まっていた時計がある、そう「パネライ」だ。イタリア海軍由来のミリタリーウォッチは類稀なる存在感を誇り、所謂「デカ厚」ブームで時計界を席巻し他のメーカーにも大きく影響を与えた。現在のケースサイズ拡大のトレンドはパネライのせいと言っても良いだろう。シャツの袖に収まる丁度良いサイズで「薄い」ことが偉かった時代から、シャツから飛び出し目立つ「デカい」ことが偉い時代へ変わったのだ。現在は「デカ厚」から「デカ薄」へとまたトレンドが変わっている。

90年代にはオーデマピゲからオフショアが出ていたし、その他にも40mmアップの時計はまぁまぁあったが、パネライほどの注目やファンは得られていなかった。44mmもあるケース径に14mmものブ厚く重い頑丈なボディ、着けているだけでソレとわかる圧倒的なユニークさ、憧れるよねぇ男ならやっぱり。貧弱な私でも着けたくなるのだから本当に凄い。私が初めてパネライを見たのは2003年頃だったような気がする。その前にも見たのかも知れないがパネライをよく知らなかったため記憶に残っていない。中古の時計ショップだったと思うが基本のモデルであるPAM00001 ルミノールマリーナが16万円ほどで売っていた。見た瞬間は「フフ」っと笑ってしまうほどで「誰がこんなバカみたいに大きな時計を着けるんだろう?」と思ったのを覚えている。因みに同じショップでランゲ&ゾーネの1815が50万円ほどだったのも記憶に残っておりキレイな時計だなと思った。パネライを欲しいと思ったのはPAM00127を見てからだ。未だに最高に格好良いと思うし憧れの時計の1つとなっているが限定モデルであり高額だったため購入するタイミングも無く、これからも購入することは残念ながらないだろう。

次に出会ってしまったのがサブマーシブルだ。これが私の時計人生の転機だったと思う。2007年頃、新宿のデパートの質流れだったかの催事会場で、たしかロデオドライブのスタッフの方だったと思うが、彼がパネライを着けていたのだ。パネライですか?と伺うと、そうですよと見せてくれた。その衝撃は今でも忘れられない。

彼の着けていたサブマーシブルは「ピカサブ」で、その圧倒的な格好良さ渋さ武骨さ艶やかさに私は一目ぼれしズキュンと心を射抜かれた。あんなに大きいのに、今まではミディアムサイズの時計ばかり買っていたのに、何故欲しくなるのだろう?不思議とサブマーシブルのことばかり考えるようになった。パネライは海軍用の防水時計だが、サブマーシブルはダイビングウォッチとして進化したモデルだ。サブマーシブルはパネライが一般販売を始めた1998年からレギュラーラインナップしており、初期の2~3年のモデルはベゼルがポリッシュ仕様で目盛りが無く「ピカサブ」と呼ばれていた。

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しかし当時の私は「ピカサブ」と通常のサブマーシブルとの区別ができなかった。知らなかったのだ。おかげで調べもせずパッと見ただけで「これだ」と思い購入した中古のPAM00024は、後に分かることだがピカサブではなかった。

振り返ればロデオドライブの方もピカサブについて話してくれてたと思う。ただ理解してなかったのだ。普通のサブマーシブルでも充分に格好良かったと思うし、30万円ほどが無駄だったとは思いたくなかった。そして私は暴挙に出る。研磨剤でサテン仕上げのベゼルを鏡面になるように磨いたのだ。自家製のピカサブは自己満足の世界観だが、カスタムとして売却時には悪いイメージを持たれたことは記録しておく。

当時の画像を見ると笑ってしまうほどのピカピカさだ。サンエーパールと言う研磨剤は本当に有効だと思う。決して真似しないように。

このサブマーシブルから、私は大きい腕時計が好きになった。今までにない「人に見せる」時計に満足したのだ。着けるなら控えめに、何を着けてるなんてわざわざ他人言う必要なんて無いと思っていた時計趣味の概念が一転してしまった。顕示欲と言うのか、私はパネライを着けているんだということをアピールして着ける。本当にバカみたいだ。

時計趣味はバカだなと思う。女性には理解しづらい男の趣味だ。満足することはいつまで経っても無いと思うし、種類を変えるとどんどん興味は広がってしまう。着けるだけから、集めたい、改造したい、修理したいなど時計の楽しみは色々ある。

2007年は時計人生の転機だった。ミディアムサイズの時計にハマっていた私が44mmのデカ厚へと興味が逸れたのだ。パネライは今でも好きだし着けてて満足できたが、もしあの時買わなかったら、もしロデオドライブの店員さんに出会わなければ、今でも落ち着いた時計達が手元にあったかも知れない。小さくて目立たないミディアムサイズの時計達とお別れが迫っていた。

 

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