【エピソード10】初めての高級クォーツ時計はオーデマピゲ ロイヤルオーク 33mm

Audemars Piguet
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AUDEMARS PIGUET RoyalOak 33mm 56175ST.O.0789ST

クォーツの何が嫌だと言うと秒針の動きだ。カチッカチッと規則正しく動く秒針は、高級時計にそぐわないと思っていたからだ。知識の上っ面だけをかじったバカな勘違いではあるものの、機械式だからこその小さな世界での精密な動きや美しさを楽しむのが時計趣味だと思っていたのだ。趣味は腕時計だという方にも同じように考える人はいると思う。今でこそクォーツ時計を毛嫌いはしていないが、しばらく私はクォーツに高いお金を払う必要はないと感じていたし、クォーツならG-SHOCKこそが至高だと思っていた。

2006年、ヤフーオークションでの落札は3度目になる。いや、グリモデルディを含めると4度目だろうか。出品者は女性の方でブランド物のバッグや小物などを出品されていて、私の目に留まったのはその中の不用品の一つだった。箱も保証書もしっかりと残っており、説明書きにはあまり使ってないとのことだった。私が落札したのは初めての高級クォーツウォッチであるオーデマピゲのロイヤルオーク ミディアムサイズ 56175ST.O.0789ST である。ロイヤルオークは八角形の独特なベゼルの形状が特徴で、スポーツウォッチだったが当時はあまり人気は無かった。既にパテックフィリップ、ヴァシュロンコンスタンタンとチープモデルではあったが買っていたので、何となくオーデマピゲも買い揃えてみたくなったのだ。およそ20万円くらいで落札したクォーツ 33mmのミディアムサイズのロイヤルオークはなかなかの格好良さで、青みを感じるグレーのタペストリー文字盤は繊細で美しく、着けてみるとマズマズの大きさなのだが非常に軽く薄く満足いくものだった。何より「秒針」が無いのが素晴らしい。2針の時計ならクォーツで問題無い。しかしこの時計はあまり着けなくなった。微妙なブレスレットの長さが気に入らなかったのだ。1コマ足すと大きくて気になるし、1コマ抜くときつかった。ロレックスは0.5mmほどの微調整ができるので、そんな気持ち悪さは無かったがミディアムサイズのロイヤルオークでは、ジャストフィットが叶わなかった。

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友人の36mmを試させてもらった時はフィット感が良かったので、ブレスレットの件はケースサイズの問題だったのかも知れない。と、言う事で初めてのクォーツウォッチはたいして着けずに私の元を旅立った。昔の写真を漁ったがほとんど残ってなかったのも、滞在期間が短かったからだろう。ケースの仕上がりや薄さ、そして軽さは特別なものだったので、腕が細めの方にはオススメできると思う。ただ試着はした方が良い、私の様に僅かなフィット感でがっかりするのを避けるためだ。

35mm前後の時計は、現在のトレンドからすると非常に小さく人気はあまりない。それはセカンドマーケットの価格面にも顕著に表れているが、当時はそこまで否定的でもなかったと思う。2006年は既にデカ厚ブームの真っただ中だが、まだミディアムサイズをメーカーがリリースしていた。トレンドが大きく変わるのはリーマンショック明けくらいからだろうか。私の心も大きな時計へと吸い寄せられ始めていたので、ミディアムサイズの時計を追うのはここで終了となる。

 

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