【エピソード8】3本目のアンティークウォッチはブライトリング ナビタイマー 806

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BREITLING 806 NAVITIMER 3rd Venus178

深く考えると一歩踏み出すことができなくなることもある。年を重ねてから思い返せば若いころの判断は恐ろしい。

2006年、再びヤフーオークションで魅力的な時計に出会った。意味の分からない無数の数字が刻まれているベゼル(回転計算尺)と黒と白のモノクロームな武骨さは「道具」と言った感じで男心をくすぐる。私は時計に華美を求めてなかったし、何ならレザーとシルバーとタバコとバイクが似合うタフガイに憧れていたと言っても良いだろう(バイクには乗れないが)。つまり、男らしい渋いアイテムに惹かれるのは必然であって、ビンテージのブライトリングにはその要素がふんだんに感じられた。で、後先考えない、アンティークウォッチの手間やコストを考えない、からっぽの脳みそが出した指令は「落札」だった。

西日本から届いたナビタイマーは第3世代の手巻きクロノグラフで、文字盤は今で言うところの逆パンダだ。インデックスはやや劣化が進んでいたがクロノグラフの動きに問題は無かったし、ロービートの心地良いチキチキ音も楽しめた。ナビタイマーRef.806は私の持っている時計では最大サイズとなる41mmだが、レザーストラップで腕にフィットしたのでそこまで着けるのは苦ではなかった。とにかく格好良く、初のクロノグラフに満足していた。気を付けるべきは未経験だったプラスチック製の風防や、こじ開けタイプの裏蓋で年代的に非防水だと言う点だ。

こじ開けで自力で裏蓋を開けて気付いたことを書いておこう。ゴムのパッキンが劣化でちぎれ、新しいものを用意しなくてはいけなくなったことだ(開けるたびにパッキンは必要だろう)。素人は気を付けろ、いや、止めておこう。ムーブメントはとても綺麗で、ヴィーナス社のキャリバー178の特徴的な輪列が眺められた。ピラーホイール(コラムホイール)がわかるだろうか?

因みにアンティークウォッチのナビタイマーはこの3rdモデルが1番格好良いと個人的に思っている。だから購入したのだけれど。1stモデルも2ndモデルも806と言うリファレンスだが、文字盤やベゼルのデザインが微妙に異なる。実はムーブメントも2種類セットされていて奥が深い。一般的にはAOPAマークでモノトーンの1stモデルが人気だろうか?2ndモデルから逆パンダになるのだが、AOPAロゴを引き継いでおり、デザインの完成は3rdだと思っている。4thモデルも806だがインダイヤルが大きくなりバランスが崩れる(視認性は上がったのだろう)。3rdは良いぞ!2機の飛行機ロゴは特別だ。

深く考えると一歩踏み出すことができなくなることもある。年を重ねてから思い返せば若いころの判断は恐ろしい。若いからこそバカな失敗を繰り返す。だがこの購入は失敗だったのだろうか?(裏蓋を開けたのは失敗だったが)探求心と言えば格好がつくだろう。

IWCとブライトリングはマニアの時計の中でもメジャーな部類だが、わざわざ古い手巻きのクロノグラフを選ぶ人は少ないと思う。デザインが変わらないので現行品でも充分素敵だし、手間や利便性を考慮すればビンテージを選ぶ必要がない。現在のリエディションは更にクラシカルで素晴らしいと思う。アクアノートと、ビンテージウォッチが3本手元にある状態になった。4本所有している状態は初めてだったが、増えると増えるだけ楽しみも増すことがわかったのは、良かったのか悪かったのか。順番が前後するが2本目のビンテージウォッチについては次回書くことにする。

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ブライトリング ナビタイマー 3rd Ref.806 ヴィーナス178

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