時計ファンに嫌われない各メーカーのフラッグシップ ステンレス スティール クロノグラフについて

Which chronograph do you like?

クロノグラフは複雑機構になりますが、様々なメーカーから比較的「普通」にラインナップされますね。

以前は完全自社製でクロノグラフを製造するのが非常に困難だった時代にETAなどエボーシュムーブメントが普及し、各社はメーカーの「顔」としてクロノグラフをリリースしていました。

ムーブメントの2010年問題などから、今では自力でクロノグラフを製造せざるを得なくなった反面「技術力」を誇示する絶好のタイミングにもなりました。

今回は各メーカーのフラッグシップ・クロノグラフ(ステンレス製で、あまり機能の多くないモデル)を見ていきます。

時計ファンが好むものを作れるメーカーが、長い商売の歴史を築くことができると言う良い例です。

全12種、全てが格好良いですよ。

①ロレックス コスモグラフ・デイトナ

116500LN

国内定価1,274,000円

ロレックスのクロノグラフと言えばキングオブクロノグラフ「デイトナ」ですね。

50年以上の歴史のある人気モデルで、スティールのデイトナは常に枯渇しておりプレミアムモデルとなっています。

2016年の新作116500LNは珍しく「白文字盤」が人気です。

クロノグラフは各メーカーから沢山出ておりますが、デイトナが「キング」であるのは性能でも値段でもありません。

「株式投資」や「美人投票」の例ように「皆が価値を支えている」点です。

デイトナが定価の半額になって喜ぶ方はいません。

「え?俺デイトナが半額だったら買うんだけど」って言う方もいるでしょう。

本当ですか?

ずっとず~っと半額のままですよ。

そんなモデルでも買いますか?

新品で新作なのに「半額」、2016年新作ボーナスセール¥648,000-!の黄色い値札がついてても買いますか?

確かにデザインで買う方もいるでしょう。

でも1990年代からず~っと半額で売っているような稀少性も無いモデルだったとしたら・・・みんながデイトナを買うのかはわかりませんよね。

当然ですがロレックスは数を調整しています。

各メーカーも限定生産などと消費を煽っていますから特に問題ではありません。

絶妙な値段付け、絶妙な数量調整、情報操作など「時計好き」は皆ロレックスに踊らされているのです。

これが踊れなくなったら時計業界の衰退です。

誰も喜びません。

【レビュー】ロレックス 新型デイトナ 116500LN 白文字盤

【レビュー】ロレックス 新型デイトナ 116500LN 黒文字盤

 

②オメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ

311.30.42.30.01.005

Moonwatch PROFESSIONAL CHRONOGRAPH 42 mm - 311.30.42.30.01.005

国内定価は572,400円。

オメガのクロノグラフと言えばNASAも認めた「ムーンウォッチ」スピードマスター・プロフェッショナルですね。

デイトナと比べると定価は半額、新品相場で言えば1/5。

非常にメジャーでありながら、非常にコストパフォーマンスに優れた良モデルです。

超絶オススメ!

今年2017年はスピードマスター誕生60周年の歴史あるクロノグラフです。

ムーブメントはレマニア社の誇る手巻きクロノグラフCal.1861。

スピードマスターと言えば10年前なら「安いクロノグラフ」の代名詞でしたが近年では高級化路線が上手に進み値段がジワジワと上がってきております。

シリーズの自動巻きクロノグラフなんかは100万円ほどしますので、比べたらまだまだ安いですけどね。

わたし個人的には大好きなクロノグラフで、人に勧めたいんですが「手巻き」「デイトなし」と言うビジネスシーンでは嫌われそうなツール的な仕様です。

【レビュー】オメガの傑作 3570.50.00と3590.50.00 スピードマスター・プロフェッショナル 今買うならどっち?

【スピマスファン歓喜】スピードマスター ストーリーアイコンの60周年を祝して 歴代モデルを一挙公開

 

③タグホイヤ カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ

CAR2A1W.BA0703

タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ 100 M - 45 mm CAR2A1W.BA0703 タグ・ホイヤー ウォッチの価格

国内定価は621,000円。

タグホイヤー自社製ムーブメントのホイヤー01キャリバーを載せたフラッグシップ機。

歴史あるカレラの新シリーズとなります。

45mmもあるのがね、私的にはちょっと「なし」な理由。

43mmのモデルもありますが、今度はスケルトンではなくなります・・・。

こう見るとやはりマダマダ大きな時計が流行っているんだな~と。

ムーブメントに関しては言えば元々はセイコーのクロノグラフがベースになっておりますが権利を買っていますので自社製で間違えありません。

残念なことに40時間しかないパワーリザーブは今風ではありませんね。

しかし見た目は最高、格好良いのです。けっこうインパクトがあり着けていると目立ちます。

43mmでスケルトンを出さないかな?

新品相場は40万円以下なのでファーストウォッチとしても30代くらい若ければ似合うと思いますね。

この意欲的なモデル・・・視認性の問題はこの際置いておきましょう。

【レビュー】タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ CAR2A1Z.FT6044

 

④ブライトリング ナビタイマー01

A022B01NP

国内定価は1,080,000円

2000年くらいのオールドナビタイマー(ブレス)で定価は40万円台でしたので値上がりが急激すぎ。

デザインや機能スペックは大して変わっておりません。

格好良さも変わりませんので、そこは素晴らしい。

余計なことはしていません。

現行品のナビタイマー01は2011年に誕生したニューモデル。

新キャリバーのB01は先にクロノマットに載っていましたので、もしかするとナビタイマーよりクロノマットシリーズの方が売れているのかも知れませんね。

ナビタイマーは1952年スタートですが、クロノマットは更に古くからありますので今回も譲ったのでしょうか。

私は回転計算尺はまったく使えませんが「パイロットウォッチ」「男のツール」的な印象がビンビン刺さりますね。

大好きなデザイン。

新品の並行品相場は60万円台ですが、クラブブライトリングには加入できないのでオーバーホール半額などの特権はありません。

定価100万円で買うか、40万円の差額でオーバーホールを数回受けるかは購入者次第です。

以前であればETAムーブメントがベースだったため街の時計修理工場で格安で直すのも手でしたが自社製となるとパーツの問題や、そもそも修理が可能なのかなど問題が出てきます。

【レビュー】ブライトリング ナビタイマー A232B35KBD(A23322シリーズ)人はニューナビタイマーと呼ぶ

 

⑤IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ

IW377710

国内定価は718,200円。

フリーガークロノと呼ばれていたシリーズです。

これぞパイロットクロノグラフと言う武骨なデザインだったのも90年代まで。

リシュモン傘下になった後はデザインは煌びやかに、定価もグっと上がってしまい「質実剛健」なんてイメージは過去のものとなっています。

これはゼニスもオメガもロレックスも同じ路線なので仕方ありませんね。

高級時計は「高級」であり続けなくてはいけないのです。

しかしヘリテージブームで過去の渋いモデルをちょいちょい出していますのから、IWCもこの路線で良いのか悩んでいそうです(笑)

2000年代になってエレガント路線がヒットしちゃったのが今のIWCにしてしまったし「成功」だったのでしょう。

そう言えばいつから「インターナショナルウォッチカンパニー」って言わなくなったんだろう。

【レビュー】IWC パイロットウォッチ ダブル・クロノグラフ IW378601 限定1000本 黒セラミック

【レビュー】IWC パイロットウォッチ メカニカル フリーガー クロノグラフ IW370607 Ref.3706-07

 

⑥チュードル ヘリテージ ブラックベイ クロノ Ref.79350

M79350-0001

チュードルは国内で正規展開をしていないため定価がありません。

2017年に新登場した「BBクロノ」。BBはブラックベイの略です。

ここ数年チュードルはメイン路線に「ヘリテージ」シリーズを置き、意欲的に「風」なモデルをリリースし成功しています。

オメガのようにまるっと復刻させないところが私的には歯痒い・・・。

過去ロレックスのパーツを使用してきたモデルたちは何かしらの制限がロレックスから掛かっているのか・・・

出たばかりで何とも相場が固定されていませんが50万円くらいで日本でもそのうち買えるでしょう。

チュードルの新作 ヘリテージ ブラックベイ クロノ Ref.79350 41mm バーゼルワールド2017

 

⑦ゼニス ヘリテージ クロノメトロ TIPO CP-2

03.2240.4069/21.C774

国内定価は982,800円。

ゼニスには現在SSブレスレットモデルがラインナップされていませんので、限定品のこちらをピックアップしてみました。

LVMH傘下になり、CEOがコロコロ変わり、方向性もデザインも変わってしまったゼニスですがブランドとしての立ち位置はどうなんでしょう。

エルプリメロにこだわり過ぎてた一時期よりは現在の方がラインナップが面白いですね。

ただ、どこもそうですが全体的に大きすぎる印象です。

機械屋としては成功したけど、時計屋としては大したヒット作も無いのがゼニスの弱いところ。

今にして思うとオープンXXLは格好良かったのかも知れません。

【復刻】ゼニス 2カウンター クロノ HERITAGE CRONOMETRO TIPO CP2 03.2240.4069/21.C774

 

⑧パネライ マーレ ノストゥルム アッチャイオ

PAM00716

国内定価は1,155,600円。

1993年のプレヴァンドーム時代の復刻モデル「マーレ ノストゥルム」。

パネライはどれもだいたい限定生産なのですが、マーレ ノストゥルムは1000本限定のレアモデル。

一時期のデカ厚ブームほどの勢いはありませんが、充分人気ブランドと言えますね。

正式には1998年スタートが一般販売ですので、20年足らずで皆が知ってるメーカーになっていることが凄いこと。

過去にはゼニスのエルプリメロを搭載した40mmクロノグラフがあり、なんだかんだで1番格好良かったような気もします。

以前はルミノールクロノなんか、なかなか買えないレアモデルでしたが流石に今は中古ショップに並んでいます。

パネライに関して言えばクロノグラフのイメージはあまり浸透していないでしょうから、大して有名なフラッグシップ機が無くても良いのですがマーレ ノストゥルムだけは何となく抑えておきたいモデルです。

1000本限定 パネライ マーレ ノストゥルム アッチャイオ 42mm PAM00716

 

⑨グランド セイコー スプリングドライブ クロノグラフGMT マスターショップ

SBGC203

国内定価は928,800円。

2017年バーゼルワールドに合わせて「グランドセイコー」として独立し、文字盤から「SEIKO」の文字が消え、GSとGRAND SEIKOだけになりました。

セイコーの機械式クロノグラフと言えば東京五輪を記念したワンプッシュクロノぐらいしか私は思いつきませんが、クォーツ系はたくさんリリースされています。

個人的には多眼識キネティッククロノが好物ですが・・・スプリングドライブを機械式に入れるかは置いておき、今回はこのSBGC203をフラッグシップ機とします。

さて、では93万円もするこのクロノグラフを皆さんは買いますか?

セイコーは良いメーカーですが、クロノグラフに関してはクォーツの方が良いモデルがあるので機械式をわざわざ選ぶかはわかりませんし、私もオススメしません。

格好良いんだけどね。

グランドセイコー SBGB001 スプリングドライブクロノグラフ 9R84

 

⑩パテックフィリップ ノーチラス トラベルタイム クロノグラフ

5990-1A-001

国内定価はスティールですが6,285,600円と断トツに高額ですね。

三大ブランドのスティールクロノグラフです(このモデルはトラベルタイム機能も付いています)。

キャリバーCH 28-520 C FUSを搭載し複雑機構を2つ擁していますので値段も致し方ない・・・

40.5mmのケース径に奇麗に収まる完璧なバランスの文字盤。

本当はノーマルのクロノグラフだけをピックアップしたかったのですがラインナップになかったのでこちらにしました。

そもそもカーレースやパイロットウォッチ用のモデルの歴史らしい歴史がないパテックフィリップなのでノーマルのクロノグラフを作る必要もないのでしょう。

技術力を見せるのには、こういった複雑機能を複数併せたモデルをリリースするんですね。

とにかく格好良いですし、買える方も限られてくるでしょう。

【レビュー】パテックフィリップ ノーチラス プチコンプリケーション 5712/1A-001 ブルー

 

⑪オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク クロノグラフ

26331ST.OO.1220ST.03

国内定価は2,592,000円。

2017年の新文字盤ですね。人気の2トーン「パンダ」仕様。

もの凄い作り込みと美しさ。

デイトナ116500LNの定価の2倍ですが作業工程からすれば当然か。

でもですね、いや、凄い格好良いんですが、私はノーマルのロイヤルオークが好きかな。

オメガのスピードマスター、ロレックスのデイトナの良い点は「●●クロノグラフ」と言うような「何か」のクロノグラフ版でない専用のクロノグラフだという事です。

(だからシーマスタークロノとかは好きじゃありません)

オーデマピゲもオフショアクロノは良かった。

でもオフショアダイバーが出てダメになったな・・・。

まぁ、私は好まなくても好きなファンが多いので問題にはなりません。

【レビュー】オーデマピゲ ロイヤルオーク オフショア クロノグラフ シュワルツェネッガー 26007BA.OO.D088CR.01 世界限定400本 正に金塊

 

 ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・クロノグラフ

5500V/110A-B148

国内定価は3,537,000円。

2016年の「新」オーバーシーズのクロノグラフです。

ジュネーブシール認定だったり防水性が高かったりストラップ交換が容易だったりしますが、ロイヤルオーククロノより定価で100万円も高いのは「え?」と思ってしまったのは私だけでは無いでしょう。

沢山売りたくないのはわかりますが、350万円もするのかよ。

「並行品がかなり定価以下で出回るぞ」と言いたくなります。

需要がね、追いつくなら良いんですが・・・

新品が普通に買えるなら、この値付けはなんか間違ってるような気もします。

私に言われたくはないでしょうけどね。

さて、デザインに関して言えばかなり格好良いです。

42mmと少し大型のクロノグラフですが、前作に比べて丸みを帯びスポーツと言うよりは洒落たラグジュアリーな時計になったと思います。

セールス的にはノーチラス、ロイヤルオークには及びませんが、技術力のヴァシュロンコンスタンタンとして三大ブランドとしての意地を感じる仕上げの美しさ、ユーザーを想う使いやすさがこのモデルにも息づいています。

【レビュー】49150/B01A-9745 ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・クロノグラフ

【レビュー】ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・ワールドタイム 7700V/110A-B172

まとめ

はい、今回ピックアップした12モデル。

これらは「時計愛好家」の方々に愛されているクロノグラフだと思うのです。

歴史があり、資産価値があり、時計への愛情を持って作られているのがユーザーにも伝わるからです。

では、

時計ファン・時計好き・時計オタク・時計好事家の皆さんには支持されないけど、セールス的に売れているモデルはどうでしょう?

時計を「ファッション」「ステイタス」として持つ方々に好まれるヤツですね。

パッと見が凄い、目立つ、お金持ちっぽい、芸能人が着けている、なんかが理由になり、そもそも長く価値を求めていないのでしょう。

代表的なのはウブロかな。

10年後、20年後「ビッグバン流行ってましたよね」ってなりませんかね?

まだレギュラーラインでリリースされていて皆に支持されていますかね?

それはオメガもブライトリングもゼニスにも言えますが、なんか変なラインアップはね・・・きっと長続きしない。

ブランドの戦略なのかも知れませんけど。

たとえば20年前のデイトナ、スピードマスター・プロフェッショナル、ナビタイマー、フリーガークロノ、マーレ ノストゥルムなんかは今見ても格好良いですよ。

絶対に支持されます。買いたい!欲しい!って方が今でもいるんです。

そんな時計がね、ほら。良いでしょ?

フランクミュラーのトノーケースのクロノグラフや、コンキスタドールクロノ。

ロジェ・デュブイのクロノグラフなんて、今買いたい時計ですか?

 

で、何が言いたいのかと言いますと・・・時計ファンが好きなクロノグラフを買っておけばまず間違いが無いよ!って話です。

定番が定番になりえた理由があるのです。

 

オイオイ、時計くらい好きなもの着けさせろよ!ってね、言いたいですよね。

そう、その通り(笑)

好きなモデル着ければ良いんです。

ブレゲのアエロナバル欲しいな、全然関係ないけど。

では!

#ZENMAIのココ東京


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