【レビュー】オメガの傑作 3570.50.00と3590.50.00 スピードマスター・プロフェッショナル 今買うならどっち?
The Speedmaster Professional Moonwatch
オメガのフラッグシップモデルであり世界中に多くのファンを持つ、ロレックス・デイトナに次ぐ人気クロノグラフ「スピードマスター」。
1957年にファーストモデルがリリースされてから、現在は第8世代の311.30.42.30.01.005が現行機としてラインナップされています。
プロフェッショナルは初代から徹底して「手巻き」クロノグラフであり、ケース・文字盤のデザインも第4世代からは大きくは変わらず今に至ります。
NASAに採用されプロフェッショナルの文字が入り、第4世代が月に降り立ったことでムーンウォッチと呼ばれるようになりました。
半世紀という長い年月の間、1969年7月の人類初の月面着陸の瞬間や1965年3月以降のNASAによるすべての有人宇宙ミッションなど、身体の耐久力そして人間の勇気の限界を試す、多くの重要な瞬間にはいつも「スピードマスター」がありました。<オメガHPより>
311.30.42.30.01.005の国内定価は572,400円と、ロレックス・デイトナの現行機116500LNの半値程度と非常にリーズナブル。
それでいて一目で「オメガだ!」とわかるステータス性を持ち、シンプルで視認性にも長け、武骨で男らしいクロノグラフが、このスピマス・プロなのです。
私も1964年製の第3世代のスピードマスターを愛用していました。
本当に格好良いのです。
と、言うことで・・・
今回は第6世代3590.50と第7世代の3570.50を「今買うならどっちが良いかな?」と言う視点で見ていきたいと思います。
1本目は、ロングセラーモデル3590.50.00。
90年代半ばのオールトリチウムの一品です。
ST145.0022としてリリースされ、1989年に3590-50の型番がふられました。
ケースバックの内側には145.0022(345.0022)の刻印が残っています。
プラスチック製のドーム風防の中央にはΩマーク。
いやぁ~格好良い。
最高ですね。
すでにブレスレットがありませんので、NATOストラップで使用します。
細いトリチウムのインデックスはもう光りません。
夜光塗料の塗布も適当なので劣化が著しいですね。
針も黒ずんでいます。
セミビンテージとして見るとエイジングしているので良いのですが、製品としてはどうなんでしょうね。
90年代半ばのロレックスはこんな風になりません。
白いクロノグラフ針。
モノクロの文字盤とベゼル。
物凄くシンプルなのに、このイケメン度は他のオメガ・クロノグラフを寄せ付けません。
38mmのオートマチック3510.50は、このデザインを踏襲しますが格好良さまでは引き継げませんでした。
これ以上のバランスは無いのです。
現在はムーーンウォッチとして2カウンターのスピードマスターが出ていますが、やはりこの手巻きには勝てませんね。
オメガファンはあの存在を認めていないと思います。
1957年から試行錯誤し1960年代にはデザインが完成してしまいました。
ロレックスのデイトナ、ブラトリングのナビタイマーも、ホイヤーのカレラ、オータヴィアも同じですね。
70年になる前に名機と呼ばれるクロノグラフのデザインは完成していたのがわかります。
80年代以降のクロノグラフのデザインで「これは名作だ」と言えるのはバルジュー7750を使用したモデルだけだと思います。
あっパシャクロノは格好良いな。オーバーシーズクロノも悪くないですが、個人的にはデュアルタイムの方が好きだな。
オフショアクロノにビッグバン・・・う~ん、やっぱり昔のモデル達の方が格好良いですね。
ケースバックの刻印には墨が入っていましたが、もうスッカラカン。
「FLIGHT-QUALIFIED BY NASA FOR ALL MANNED SPACE MISSIONS – THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON」
NASAの全ての有人宇宙飛行のミッション資格を受け、月に最初に行った時計です。
3590.50.00の良い点は「3570.50に比べやや安い点」「トリチウムを使用している点」でしょう。
ブレスレットの画像はありませんが、明らかに3570.50の方が優れていますので、使用感を考えると負けてしまうのですが、それ以上に魅力的なのが「トリチウム文字盤」ではないでしょうか?
1997年にリリースされる3570.50.00はルミノヴァ夜光に変わってしまいますからね。
ビンテージ感を楽しむならトリチウム一択でしょう。
やや厚みのあるケースサイズ。
ケースは薄いけど裏ブタと風防が厚いんだな。
42mmのケース径、14.5mmのケース厚。
120グラム弱(ブレスレット含む)の重量。
手巻きクロノグラフムーブメントはレマニア製Cal.861。
3590.50.00のオススメポイント。
1.少し安い。
2.トリチウム仕様
と、思ってたら今は3590.50.00の方が3570より高いんですね!!
びっくりした。
やっぱりセミビンテージブームが起きています。
各メーカーのヘリテージラッシュで、少しだけ古い(中古市場で人気が無くなっていた様な)モデルが見直されているのです。
2本目は、スピードマスター誕生40周年の1997年にリリースされた3570.50.00(製作は1996年)
第7世代のスピードマスタープロフェッショナルで、もう皆の知っているモデルですね。
3590からリニューアルされムーブメントは現在でも使用されているCal.1861になりました。
夜光もルミノヴァになり焼けることがないため、針もインデックスもずっと白いままキレイですね。
スピードマスタープロフェッショナルは長くNASAの基準を上回る製品として製造されていますが、それは正確性、耐久性だけではないのです。
ケースバックの内側にはインナーカバーがありムーブメントを磁気からも守っています。
磁気が帯びやすいコックピットでの使用に耐えうる仕様ですね。
第4世代から続く左右非対称のケースデザインも、クラウンガードの役目を負っています。
見やすさ、頑丈さに優れ、磁気に強いのがスピマスプロなのです。
3570.50あたりからはブレスレットもしっかりしたものに変更されています。
3590.50のブレスは爪がはがれそうなくらい固いのがありますからね(笑)
コイツは一生ものと言えるだけの耐久性を持っていますね。
2000年台に入るとサファイアガラスを搭載した3573.50.00もリリースされます。
耐久性は勝りますが見た目が変わってしまうこと、値段が上がってしまうことなど、やはりプラ風防の3570.50.00の方が人気がありました。
ケースバックのデザインはお馴染みの。
バックルも何度か変わりました。
このダブルプッシュ式は便利で良いですね。
結構しっかりした厚みのあるバーパーツ。
ブレスレットリンクは叩き出し式のピンです。
相変わらず、ケースは薄いが風防とケースバックが盛り上がっており「厚み」のある作り。
プラ風防はキズだらけになりますが磨けば良いし交換も安い。
書体が違う
Ω
OMEGA
Speedmaster
PRIFESSIONAL
の文字
飾り気のない文字盤デザインが好きです。
普段使用しないタキメーター。
大きめのクラウンにはΩマーク。
バックルの刻印。
ケースバックのシーホース。
ルミノヴァ夜光でクロノグラフ針の先が光ります。
インデックスのグリーンに光ります。
こっちから叩いて抜いてね!と言う「↓」マーク。
バックルのフック。
コピー品などはこういう部分の作りがなかり雑です。
ダブルプッシュ式バックルのプッシュボタン。
厚みのあるドーム状プラスチック風防。
まとめ
どうですか?
スピードマスター・プロフェッショナル。
手巻きの良さ、デザインの良さ、歴史がありストーリーがあり、2017年の今年は60周年記念です。
現実的に使用目的なら3570.50.00を20万円台で、ビンテージ感を味わいたいなら3590.50.00を出来たら20万円後半で探してはいかがでしょう。
オススメいたします。
それではまた!
オメガ スピードマスター ファーストレプリカ 311.10.39.30.01.001 マスターコーアクシャル 60周年トリロジー
#ZENMAIのココ東京