ロレックス 全歴代 エクスプローラーI・II 歴史と愛蔵ファイル

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ロレックス「全歴代エクスプローラーI・II愛蔵ファイル」Ref.6350から新作 Ref.214270まで【完全網羅】

バーゼルワールド2016で発表された新型エクスプローラーI。

独特のデザインで魅了し続けるエクスプローラーII。

ロレックスのアイコンとも言えるシンプルでタフネスな3針腕時計エクスプローラーと、GMT針を搭載し別の路線を進んだエクスプローラー2の歴史を振り返ってみましょう。

諸説あるファースト・エクスプローラー(どれが初代モデル?)

1953年 エドモンド・ヒラリー氏率いるイギリスのエベレスト登頂チームの偉業により「探検家/冒険者」の腕時計の地位を築いたエクスプローラー。

1930年代からスポンサーを続けていたことで、広告宣伝の結果へと繋がります。

実際にヒラリー氏ではなく、シェルパを務めたテンジン・ノルゲイ氏が付けていた腕時計がエクスプローラーのプロトタイプだったと言われています。

Ref.6150とRef.6098がその候補です。

 

Edmund Hillary’s Rolex

via www.watchprosite.com
Ref.6098
1950年代初頭
Cal.A296
34mmクサビ型のインデックスに白い文字盤が特徴です。
A296を搭載する「セミ・バブルバック」タイプ。

Rolex Explorer 6298

via www.chronoarchive.com

ファースト・エクスプローラーの候補「Ref.6298」

「3.6.9」インデックス、細めのリーフハンド、キャリバーA296・・・面影があります。

Rolex Explorer 6350

via www.chronoarchive.com

Ref.6350が正式なファースト・エクスプローラーと捉える方々もいます。

12時位置の▽インデックスと3.6.9、黒い文字盤は現在まで続くデザインと大きな違いがありません。

また、6350は寒暖差があっても動作可能な潤滑油が使用されています。

ハンドはクサビ状のものや、ペンシル、ベンツなどのバリエーションがあり、
文字盤には格子状の模様が彫られています。

ケースサイズは34mm、クロノメーターの公認の証明が記されています。

1954年 第2世代 セカンドモデル・エクスプローラー

EXPLORER REFERENCE 6610

via www.phillipswatches.com
1954.1955年誕生のRef.6610
ムーブメントはクロノメーター認定のCal.1030お馴染みのベンツ針に、防水性能は50m、ケースサイズは35mmになりました。
セミバブルではなくフラットケースバックになったのはCal.1030が搭載されてからですね。

Rolex Explorer reference 6610 with box and papers

via www.watchprosite.com
当時の保証書やクロノメーター証明書、ボックスなど希少性の高いコレクションですねぇ。

1963年 第3世代 サードモデル・エクスプローラー

via gatsbydna.blogspot.jp

ビンテージ・ロレックスの定番人気モデル エクスプローラー Ref.1016。

Ref.6610のデザインはそのままにムーブメントと防水性が上がります。

ハック機能なしのCal.1560、100m防水、35mmケース。
クラウンガードのないシンプルな腕時計の基礎は、ここでガッチリと決まりました。

via jamesbondwatchesblog.com

1960年代 中盤~後半にかけてハック機能付きクロノメーター公認ムーブメントCal.1570へ変更されます。

Cal.1570搭載モデルの方が中古相場は高いですね。

また、初期モデルはCal.1560にゴールドカラーのインデックスのレトロタイプになっています。

1988年頃まで作られる長寿モデルとなりますが、最終品番となるシリアル・アルファベット「R」「L」に人気が集中します。

The Space Dweller is a variation of ref.1016

via www.rolexforums.com
日本向けモデルと言われている「スペースドゥエラー」もRef.1016の仲間です。

1990年 第4世代 キムタクモデル・エクスプローラー

via www.watchprosite.com

14270 explorer 木村拓哉TAKUYA KIMURA

via rolexguide.com.hk

1990年 5桁品番になったエクスプローラーI Ref.14270。

約2年間の沈黙を破り生まれ変わりました。
近代的なフォルムに洗練られ、サファイアクリスタルに変更、
インデックスもプリントではなくメタルになり、ムーブメントはCal.3000へ進化しました。

1990年から数年は、あまり人気がありませんでしたが95年放送のドラマ「ラブ・ジェネレーション」で木村拓哉さんが着けて大ブレークします。

Ref. 14270

via gatsbydna.blogspot.jp

ブラックアウト

1990年頃の初期モデルの一部に「ブラックアウト」と呼ばれるインデックスに夜光が塗られていないレア・モデルがあります。

夜光が塗られていないインデックスが作られた理由は定かではありませんが、視認性のテストや、製造工場の違いなどが理由として挙げられています。
この使用はRef.214270の登場時にも起こりました。

詳しくは記事後半で。

via gatsbydna.blogspot.jp

ROLEX EXPLORER 14270 Black Out – London Watch & Collection #43074 – YouTube

ブラックアウト(黒塗りタイプ)
via www.youtube.com

ディティールの変更

・Ref.14270は最終品番がP番となりますが、後期のモデルはトリチウムから新夜光ルミノーバに変更されています。
※文字盤6時位置下の「T」マーク表示が無くなります。

・初期モデルではシングルロック・クラスプを使用しています。
・中期モデルからラグ横のブレス結合穴が無くなります。

2001年 第5世代 ミレニアム・エクスプローラー

ref 114270

via www.rolexforums.com

2001年に誕生した新世紀エクスプローラーI Ref.114270。

6桁品番になり、ムーブメントはCal.3130へ強化。
36mm 100m防水は継続。

フラッシュフィット部の強化、クリスタルへの王冠レーザー刻印、
ROLEX OYSTER PERPETUAL EXPLORERの書体同一化などの特徴があります。
※Ref.14270までは書体が違うんですよ!お持ちでしたらチェックしてみてくださいね。

2007年頃からはケースの内側(文字盤との境)にROLEXやシリアル番号が刻印されるようになります。

2010年 第6世代 ビッグ・エクスプローラー

ROLEX EXPLORER REF. 214270

via www.watchcollectinglifestyle.com

2010年誕生の39mm 大型ケースに進化したエクスプローラーI Ref.214270。

キャリバー3132。クラスプなどが進化します。

しかし、ケースの大型化に伴わないデザインが酷評されます。
114270のハンド流用などアンバランスなイメージがあった214270。
話題は「ブラックアウト」の3.6.9インデックスに注目が集まりました。

今年のバーゼルワールド発表の新エクスプローラーでは、そのあたりが改善されました。

リファレンス 214270 2016

via www.rolex.com

2016のバーゼルワールドの新文字盤発表までは「ブラックアウト」の状態がノーマルでありましたが、6年間と言う短めの製造だけにレアモデルとなるか今後に期待したいですね。

しかしバランスは、こちらの方に軍配があがりそうです。

2021年 第7世代 エクスプローラー36mm

まさかの36mmへ戻りました。

そしてエクスプローラーにもロレゾールが展開開始。

 

レア・エクスプローラー Ref.5500/Ref.5504

via www.rolexforums.com
via montresmecaniques.forumactif.com

1960年代 Cal1520を積んだボーイズサイズ(33mm)のエクスプローラー Ref.5500が誕生します。

5500はAir-kingのケースを流用し、ノンクロノメーター・ムーブメントを使用します。
外観はRef.1016に酷似していますが、SUPER PRECISIONやPRECISIONの表記となっています。

主に中東エリア(の英国軍PX/軍事施設の売店)にて展開されていたモデルのようです。
※Ref.6429 COMANDOのようなモデルでしょうか?

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Ref.5504は北米向けのモデルで5500同様エアキングのケースを流用しています。
※やはり同じくノンクロノメーター・ムーブメント

Ref.5506はカナディアン・エクスプローラーと呼ばれる白文字盤(ギョーシェ彫り仕様)。
1950年代に見られます。

1972年 エクスプローラーII 誕生

via www.r-l-x.de
via www.r-l-x.de
1971.1972年 Ref.1016とはコンセプトの違う「冒険家」用モデル
Ref.1655 エクスプローラーIIのファーストモデルが誕生します。GMTマスターの開発で誕生したムーブメントCal.1570系を搭載し、GMT針が24時間表示で稼働します。
※24時間で1周まわります。独特のデザインでヴィンテージ・ロレックスの中でも異形なレア・モデルですね!!
※90年代後半から古着屋さんの店長などがよく着けていました。ベンツ針を使用しないスポーツモデルは珍しいですね。
エクスプローラーI(Ref.1016)との差別化か、GMT針との関連での視認性の問題か不明ですが、Ref.1655の大きな特徴となっています。24時間針の必要性は、昼夜の確認ができない極地(洞窟内など)での探検時に役立つというわけです。

Rolex Explorer 2 1655

via www.chronoarchive.com
1984年頃まで製造されますが、ベゼルのフォント、文字盤のフォント、GMT針のカラーリングなど様々なバリエーションを生みます。
また、ムーブメントもCal.1570/1575の2種類あるようです。GMT針は3種類のカラーがあり、「イエロー」「オレンジ」「レッド」に分かれます。
ニックネームにsteve mc queen(スティーブ・マックイーン)や freccione(伊:大きい矢)などがあります。
※当時のカタログには「赤い針」とGMT針の紹介があります。黄色やオレンジの正体は???
via www.r-l-x.de

1984年 短命 セカンドモデル エクスプローラーII

ROLEX, EXPLORER II, REF. 16550

ロレックス・スポーツモデルの中でもビックリするくらい短命のモデル
Ref.16550 第2世代のエクスプローラーIIです。
1984-1989年と言う短さ。
※欠陥品?キャリバー3085(短針独立稼動ムーブメント)は同じく短命だったGMTマスターIIの初代 Ref.16760にも搭載されています。
※詳しくは「ファットレディ」を参照ください

Rolex Explorer 2 16550

via www.chronoarchive.com

Ref.16550は5桁スポーツモデルとして早々にサファイアクリスタルを搭載し、満を持しての新ムーブCal.30系のGMT専用Cal.3085を使用しています。

前作Ref.1655とリファレンスは似ているものの外観が大きく変更。
よりモダンな印象です。

独特な白文字盤にメタルフレームの丸型インデックス、ベンツ針に変更されました。
次作Ref.16570ではブラックフレームのインデックスに変更されますので外観での確認ポイントの1つですね。

1986 Rolex Explorer II Ref: 16550 Cream Rail Dial

via www.rolexforums.com

センタースプリッドと呼ばれる6時位置のSUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFICATIONが2段に表示されている「真ん中」の空白部分が1直線になっている文字盤(レイルダイヤルとも呼ばれます)

更にクリームダイヤルと呼ばれる変色してしまった文字盤(アイボリーとも呼ばれます)

など、製造期間が短い中でもレア・バリエーションがあります。
(販売期間はもっと短い? 2年とも言われています)

またブラックフレームのインデックス(後期)や黒文字盤もあります。

1990年 サードモデル エクスプローラーII

ROLEX Explorer II 16570

via montreswissna.com
Ref.16570はエクスプローラーIIの完成形と言えます。
Cal.3185を搭載し20年もの長い間続くリファレンスになります。デザインはほぼRef.16550と同様ですね。
ビジネスに使用可能な爽やかなホワイトと、シックでクールなブラックの2種類の文字盤でスポーツモデルの中でも1.2を誇る人気モデルに進化しました。当時はデイトナ、エクスプローラーI人気に引っ張られる感じでした。
デイトナの様に2種類ある文字盤と、キムタクブームのエクスプローラー・シリーズと言う追い風に乗りましたね。
via forums.watchuseek.com

ディティールの差異

・初期モデルはシングルロッククラスプ仕様でした。
・1996年頃からトリチウムの夜光を止め、ルミノバに変更されます。
・2000年頃からフラッシュフィットが一体化に強化されます。
・2000年代には横穴モデルが廃止、王冠透かしレーザー刻印がクリスタルに入ります。

・GMTマスターII同様、最後期にはCal.3186のレアモデルが存在します。

Cal.3186

2011年 ビッグ・エクスプローラーII

リファレンス 216570

via www.rolex.com
2011年 エクスプローラーII誕生40周年に誕生した大型42mmの Ref.216570。
ムーブメントはCal.3187。太めの短針長針に「大きい矢」を復刻させたGMT針、タフなEX2になりました。
via klocksnack.se

2021年 エクスプローラーII 50th 226570

2021年 エクスプローラーII誕生50周年に誕生した Ref.226570。

記念モデルらしくセラミックベゼルに変更されるかと思いましたが、基本デザインは大きく変化しませんでした。

まとめ

via www.watchtalkforum.com
via mansfinelife.com

強力な広告宣伝で人気と信頼を得たエクスプローラー。

エクスプローラIシリーズはシンプルでタフ、3針モデルで故障が少なくTPOを選ばないデザインで人気がとても高いですね。
一時期の高騰ぶりからはだいぶ低減されている今が買いのRef.14270。
ブラックアウト終了で今後が楽しみなRef.214270の初期モデル。
まだまだ日常使いが可能なビンテージ・ロレックスRef.1016。
など、オススメがたくさんあります。

エクスプローラIIシリーズは独特のデザインで、他のスポーツモデルとは楽しみ方が違うのではないでしょうか?
爽やかな白文字盤、異形なRef.1655などファッションセンスにマッチすればオシャレ度アップですね。
また、時差のある別の時間帯も表示できる便利モデルでもあります。

<元記事>

https://watch-monster.com/articles/4bWnl

(Ref.6610 Ref.1016 Ref.14270 Ref.114270)

 

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