
ロレックス 全歴代 サブマリーナ 歴史と愛蔵ファイル
ロレックス「全歴代サブマリーナ愛蔵ファイル」Ref.6200からRef.116610まで【完全網羅】
ロレックスのダイバーズウォッチ「サブマリーナ」は誕生から60年以上経つ今もデザインが変わらない普遍の腕時計になります。
プロのダイバーから、戦場の兵士まで様々な人々に愛されてきました。
今回は誕生から最新作までの歴史を振り返ろうと思います。
1953年 第1世代 ファーストモデル サブマリーナー Ref.6204
※発表は翌年1954年のバーゼル会場にて時間計測用回転式ベゼルを搭載し、通常のオイスター・モデルの2倍の防水性 100mを誇るプロフェッショナル・ウォッチとして生まれました。
潜水作業士やレジャーダイバーなどが海に潜る際に、酸素ボンベの酸素残量を計測できる回転ベゼルはRef.6202 ターノグラフ(Turn-0-graph)から引き継がれました。最初期のベゼルはメモリの記載のない両回転式です。
Ref.6204の特徴は、ゴールドレター(記載が金色インク)に外周サークル文字盤(50年代のスポーツモデル共通)、
クラウン(竜頭)ガードが無いケースに、ストレートのペンシルハンド、ムーブメントはキャリバーA296(A260)が搭載されています。
文字盤には防水100mの記載は無く、秒針の先は「ロリポップ」と呼ばれるボール状のマーカーが付いています。
1950-1954年 Ref.6200 もう1つのファースト・サブマリーナー
ファースト・サブマリーナーRef.6204が発表される以前に防水100mのダイバーモデルRef.6200が誕生しています。
一説にはサブマリーナーのプロトタイプなのでは?と言われていますが、その存在は明らかになっていません。
キャリバーA296 防水100mなどスペック的にはRef.6204と同様ですが 既にベンツ針が採用され、後に採用される「BREVET」8mmビッグクラウン「デカリューズ」が使用されています。
またRef.6204と同じ1953年に誕生するファースト・エクスプローラーにも似た、アラビア3.6.9インデックスをRef.6200は備えています。
この点からプロフェッショナルダイバー、主に海中作業向けの兵士の為の軍用時計として生まれたのではないでしょうか?
3.6.9は視認性が高く暗い海の中でも時刻を読み取れ、大きめのクラウンも防水性向上と共に巻きやすさ丈夫さを求めているように感じます。
1954-1956年 第1.5世代 サブマリーナー Ref.6205
ムーブメント Cal.A260を搭載した1.5世代目のサブマリーナー Ref.6505
針やベゼルなどかなりのバリエーションが見受けられる試行錯誤の時期のモデルですね。
ペンシルハンドのモデル、防水100mの記載があるモデル、メモリの打たれたベゼルを搭載しているモデルなど様々です。
SUBMARINERと書かれていないモデルまであります。
1956年 第2世代 セカンド・サブマリーナー Ref.6538 Ref.6536
ムーブメントはクロノメーター公認のCal.1030を搭載し、防水200メートルとスペックアップしています。
※文字盤に記載があったり、無かったりとマチマチです。大きめのリューズ(ビッグクラウン)とドーム型プラ風防で防水性を高めていますね。
ベゼルもメモリが打たれたもの、打たれてないもの、12時位置の▽が赤いもの、ペンシル針を使用したものなどバリエーションに富んでいます。
サークル文字盤にゴールドレターとアンティークの風味が出ております。Ref.6538にも3.6.9ダイヤルがあるようです。
※Ref.6538/Aと呼ばれるRef.6200と同じケースを使うモデルが登場します。
また007 ジェームス・ボンドモデルの1つと言われているビッグクラウン・モデルでもあります。Ref.6538は英国海軍、カナダ海軍に採用されるモデルにもなります。
Ref.6536
ノンクロノメータームーブメントを使用し、防水も半分の100mとスペックダウンしています。
※Cal.1030は同じです。しかし、日常生活には不便ないスペックであるためプロフェッショナル・モデルを普及品として販売しようとしていた戦略的モデルだと言えます。これはスペックを落とした廉価版としてRef.14060などのノンデイト・サブなども同じ戦略に合致します。上のヨットの広告は明記は無いもののRef.6536の販促ポスターの可能性が高いですね。
自動巻きでタフだよ!ちょっとくらい濡れても大丈夫だよ!と言っています。
1958年 第3世代 サード・サブマリーナー Ref.5508 Ref.5510
ムーブメントがキャリバー1530にスペックアップしますが、ノンクロノメーター、100m防水とRef.6538に及びません。Cal.1530を積んだ廉価版としてRef.6536と併売しようとしたのかも知れません。
5508同様ノンクロノメーターのCal.1530を搭載します。
防水は倍の200m、ビッグリューズ・モデルですね。
1960年 トリエステ号がマリアナ海溝1万908mの潜水に成功
過酷な状況、大きな水圧に負けず正確な時間を刻むことに成功したロレックスは大々的に広告宣伝します。
オイスターケースの信頼性、ロレックスの技術力が世界に広まりました。
1959年 第4世代 クラウンガード・サブマリーナ Ref.5512
サブマリーナー史上初のクラウンガードを採用、ダイビング時に岩などにぶつかって破損しやすかったリューズを守る画期的な装備になります。初期モデルはリューズショルダー(クラウンガード)の先が平らな「スクエア・クラウンガード」になっています。
Ref.5512は実用的なビンテージ・ロレックスとしても大変人気なモデルです。
ムーブメントは クロノメーター公認キャリバー1530を搭載(後にCal.1560、Cal.1570へ)。
200m防水 40mmへ拡大されたケースとRef.6538の進化形にあたりますね。
発売当初はクロノメーター表記の無いもの、外周サークルダイヤル、アンティーク愛好家に好まれるミラーダイヤルなどのバリエーションがあります。
とんがり過ぎ!
ポインテッド・クラウン・ガードと呼ばれる 尖がりリューズガード。1960年中盤頃からはツインロックからトリプロックに変更され、
またマリン・スポーツが一般的になり、ウェットスーツの上からも着用できるようフリップロック式のブレスレットが採用されるなど徐々に進化していきます。
1963年 第4世代 ノンクロノメーター・サブマリーナー Ref.5513
防水性200m、クラウンガードはRef.5512同様ですが、ノンクロノメーターとスペックがやや落ちます。
後にCal.1520へ変更になります。Ref.5512より更に長い1980年代後半まで製造される長寿モデルとなります。
後期のモデルはインデックスにメタルのフチが付き雰囲気が変わりますね。
※メタルフレームが付くことによりダイヤル上のインデックスの劣化にストップがかけられた。ビンテージロレックス市場ではフチナシの古いモデルの方が好まれます。
ミリタリーサブマリーナーと呼ばれる軍用サブが誕生します。また、英国軍専用サブとしてRef5513の派生形Ref.5517も誕生します。1961年にはフランス潜水作業専門会社COMEXが誕生します。
潜水時にCOMEXはサブマリーナーRef.5513をダイバーに支給していたとも言われています。
飽和潜水作業終了後の風防破裂事故の報告を受け後のシードゥエラー誕生につながります。Ref.5513には開発段階のHEV(ヘリウムガス・エスケープ・バブル)が搭載されたレア・ピースがあります。
Ref.1665ファースト・シードゥエラーと同時開発のCOMEX専用サブマリーナーRef.5514も誕生しました。どちらもレアロレックス・シリーズの記事のリンクがありますので、気になる方はチェックしてください。
Ref.5513 Ref.5517 ミリタリー・サブマリーナー
訳し方が わかりませんが「航海の腕時計」としておきます。
「3.6.9」のダイヤルにスクエアクラウンガードの様ですね。
左手にはロレックスの絵でしょうか?
これもRef.1665を開発する過程でのプロトタイプでしょうか?HEVが見られます。
1965年 第4世代 デイト表示付きサブマリーナー Ref.1680
1965年誕生のカレンダー(デイト)表示付のサブマリーナー Ref.1680
サイクロップレンズを搭載し、ムーブメントはクロノメーター公認Cal.1575を搭載します。
1980年頃まで製造される人気モデルでした。
Ref.1680は日常生活で使用できるビンテージ・サブマリーナー御三家(Ref.5512/5513/1680)の1つです。
また赤サブと呼ばれる「SUBMARINER」の表記が赤い文字盤がビンテージ市場では高値で取引されます。
Ref.6538から見られる仕様ですが 理由は謎のまま、一般的な見解としてはダイビング時に無駄な情報をダイバーに与えないように暗い場所では見えなくなる「赤」を使ったのではないかとされています。
※ホワイトレターも見えてしまうならクロノメーターなどの表記も赤くてよいような気もします。
赤サブのプリントも白地に赤インク、元々赤インクなどバリエーションがあります。
1970年頃のモデルに多いようです。
視認性の向上か、はたまたインデックスの耐久性を上げたのか不明ですが1分ごとのメモリにくっついている程の違いがあります。
1979年 第5世代 サブマリーナー・デイト Ref.16800
1979年 新型キャリバー3035を搭載したサブマリーナー・デイト Ref.16800が誕生します。
Ref5512が生産終了になり、ノンクロノメーターならノンデイト(5513)、クロノメーター公認ならデイト(16800)を選ぶ形に変化しました。
Ref.16800はサファイアクリスタルを採用し防水性が向上します。
防水300m、カレンダーディスクのクイックチェンジ、逆回転防止ベゼル搭載。
Ref.5513同様に後期のモデルはインデックスのフチにメタルフレームが付くようになります。
ミドル・ビンテージとしてフチナシ・ダイヤルは人気がありますね。
ZENMAIは以前所有していましたが、ハンドを新しいモノに交換されてしまい
焼けたインデックスと色違いになり、それがどうしても嫌で手放してしまいました・・・。
2000年代に買ったときは保証書付きで19万円とかでしたねぇ・・・失敗したぁ。
Ref.168000
保証書にはRef.16800と記載があるが、ケースサイドには168000と刻印されているサブマリーナー・デイトがRシリアル(1988.89年)前後に存在します。
1989年 第6世代 サブマリーナー・デイト Ref.16610
1989年 第6世代のサブマリーナー Ref16610が誕生します。
デイトナより買いやすくエクスプローラーIよりも実用性があり
なによりカッコいいRef.16610はロレックス史上最強の日常腕時計ではないでしょうか?
2009年まで製造が続く大ヒット・ロングセラーモデルです。
Cal.3135に変更された以外は16800からの大きな変更点はありません。
80年代には現行まで続く基礎スペックは完成しています。
エクステンションの進化、フラッシュフィっトの強化、他のスポーツモデル同様の夜光、クリスタルの変更、ラグ横穴の撤退、ベゼルフチの刻印など微妙ながらも大きい進化をしつづけて6桁品番モデルでと引き継がれていきました。
Ref.16610LV サブマリーナー誕生50周年記念グリーン・サブマリーナー
2003年 サブマリーナー誕生50周年記念としてロレックスの企業カラー「グリーン」カラーのベゼルを搭載したサブマリーナーRef.16610LVが誕生しました。
スペックはRef.16610と変わりませんが、ダイヤルとハンドは別物となります。
マキシダイヤルと言われた80年代の文字盤のようにインデックスが通常より大きく視認性が上がっています。ハンドも同様に太いものが使われています。
初期のベゼルカラーが後の物より薄くライムカラー・ベゼルと呼ばれています。またFAT4やBIG SWISSなど、取りあえず微妙な違いを大々的に「別物」として扱っています。
ベゼルフチの刻印のある後期も含めますと4種類程度に分けられますね。
※FAT4(ファット・フォー)はベゼルの「4」の形が違います。初期のものがFAT4で中が四角、後に三角になりシャープです。
※通常は 28分から32分の間 6時位置に「SWISS MADE」と記載あるのですが、BIG SWISS(ビッグスイス)は27分-33分の間に飛び出して記載されています。
<元記事>
ベゼルの4の空白部分に注目ください。
後ろにぼやけてる息子に引き継ぐために生まれ年のモデルを購入しました。
当時はリーマンショックの影響で新古品(未使用品)でしたが Mシリアル 398,000円でした。もう1本買っておけば良かったかな。
NO BIG SWISS
NO FAT4
NO LIME BEZEL
1989年 第6世代 サブマリーナー Ref.14060
ロングセラーモデルRef.5513 4桁プラ風防に比べると、かなりの進化をしました。
Cal.3000(エクスプローラーI Ref.14270と同じ)を搭載、300m防水、サファイアクリスタル。
デイト表示が無いこと、クロノメーター公認でないことでRef.16610と区別された下位機種。シンプルで使い勝手の良いモデルでした。
2000年 第6.5世代 ノンデイト「M」 Ref.14060M
この年は新デイトナRef.116520が誕生し6桁スポーツの時代に突入します。Ref.14060Mはキャリバー3130を搭載しスペックアップして登場しました。
14060からの大きな変更点はムーブメントだけですが、他のスポーツモデル同様に進化は続きます。2006.2007年頃にはついに悲願のクロノメーター公認となり、精度の保証となります(もともと精度は良かったですけど)。
クリスタルのレーザー刻印、ベゼルフチ(インナー)に刻印が入り現行機へと引き継がれました。
クロノメーター公認の「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」の記載が無い。
2010年 第7世代 セラクロム・サブマリーナー Ref.116610
Ref.116610LN Ref.116610LV大きなスペックアップと言えば外観からもわかる通りベゼルがステンレスからセラミックに進化したことです。
ケースは40mmと同じ径ですが厚み(主にラグ)が出てマッチョな印象です。
クロマライト夜光が使用されスーパースルミノーバより長い時間発光されます。人気のグリーンサブも継続されましたがRef.116610LVは文字盤までグリーンになり、海外では超人ハルクと呼ばれていますね。ムーブメントはRef.16610と同じCal.3135ですが、3135自体も進化していてパラクロムヒゲゼンマイを搭載。
きれいなブルーカラーのヒゲゼンマイで耐久性や耐磁性など向上しています。
※詳しくはロレックス公式ページで
2012年 第7世代 セラクロム・サブマリーナー・ノンデイト Ref.114060
6桁スポーツ・モデルになったRef.114060
Ref.116610系と同じセラクロム・ベゼルを搭載、ケースもマッチョスタイルになります。116610の廉価版と言う位置関係ではなく最新技術の詰まったデイトなしのサブマリーナーという新しいスタイルになりました。
ラグジュアリーライン ジェム・サブマリーナー
フジツボ・インデックス、ゴールド無垢モデルのラグジュアリー・サブマリーナー。
タフさとゴージャスさから軍高官などにも愛用されました。
所謂「青サブ」と呼ばれる、海を思わす深いブルーのベゼル+ブルーの文字盤が誕生します。
このカラーはゴールドを使用したモデルにしか使用されない高級仕様となります。またロレゾールと呼ばれるコンビネーション・モデルが初登場します。
ヨットマスターが誕生する前のラグジュアリー路線、またはパイロット用としてステイタスが高まっていたGMTマスターとの相乗効果を狙ったのかも知れませんね。16808 16803から黒ベゼル、青ベゼルの2つの展開で進みます。
色褪せかと思われましたが、明らかな違いがあり 同様のモノが多数見受けられるので塗料違いなどのバリエーションと捉えられています。
初めてダイヤモンド・サファイアのジェムストーンが文字盤に付いた16610系。
黒・青の2種類のベゼルに、ブラック・ブルー以外にシルバー・ゴールドの文字盤も登場します。
伝統に倣い「青」「黒」のモデルが誕生しましたが、ベゼルはセラミック製のセラクロム・ベゼル。
かっこいい!
ヤバいヤツですね。
2020年 126610系 キャリバー3235 / 124060 キャリバー3230
2020年9月1日、サブマリーナーファミリーがフルチェンジ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
サブマリーナーは種類も多く、ビンテージ・ロレックス愛好家にはバリエーションの違いで楽しめる良いシリーズですね。
タフさ、防水性など日常使いにも便利で実用性の高さも人気を支えている原因です。
4桁のスポロレVRに手を出そうとした15年前に買っておけば~・・・と今では後悔してしまう値段になっていますね。
その頃ZENMAIはTUDORに走ってしまいました・・・。無念。
もう少し情報をまとめましたら追記していきます。
https://watch-monster.com/articles/p2cTU
(Ref.6202 Ref.6204 Ref.6205 Ref.6538 Ref.6536 Ref.5508 Ref.5510 Ref.5512 Ref.5513 Ref.5514 Ref.5517 Ref.1680 Ref.16800 Ref.168000 Ref.16610 Ref.16610LV Ref.14060 Ref.14060M Ref.116610LN Ref.116610LV)
#ZENMAIのココ東京