
ポール・ニューマンさんが着用した ロレックス デイトナ 5選
Paul Newman’s Daytona
今回はアメリカの俳優でありカーレーサーであり慈善活動家のポール・ニューマンさんが着用した5本のロレックス コスモグラフ・デイトナについてまとめてみました。
ポール・ニューマンさんも参加したことがあるル・マン24時間レース100周年に合わせて、先日サザビーズオークションでは晩年ポール・ニューマンさんが着用していたデイトナの2本が競売にかけられ結果が出ましたのでこちらも見ていきます。
Ref.6239 “White Exotic”
1本目。有名な写真ですね。
文字盤に自身の名がニックネームになるほどインパクトがあるポール・ニューマンさん。
「ポール・ニューマン」イコール「デイトナ」のイメージが定着したのもロレックスの宣伝によるものだそうです。
最初に公の場で着用していたのが手巻きのデイトナ 6239 ホワイトエキゾチックダイヤルです。
2017年にはフィリップスオークション”WINNING ICONS – Legendary Watches of the 20th… New York Auction 26 October 2017″で「ポール・ニューマンズ”ポール・ニューマン”デイトナ」として競売に掛けられ、当時最高額の17,752,500ドル(日本円113円 計算で約20億円)で落札されました。
このファースト・デイトナ 6239は、奥様で女優のジョアン・ウッドワードさんがポール・ニューマン氏のためにティファニーで購入したものです。夫のことを気遣いケースバックには「私の為に安全運転してくださいね」と愛のこもったメッセージが刻印されています。
状態が素晴らしいですね。
Ref.6263 “Big Red”
2本目のポール・ニューマンさんが着用されたコスモグラフ・デイトナは、黒文字盤のRef.6263でした。
こちらも1本目と同様に奥様のジョアン・ウッドワードさんが1983年にポール・ニューマン氏のために購入したものだそうです。
ケースバックには「ゆっくり運転してね ジョアンより」というフレーズが刻印されています。
この6263は晩年までポール・ニューマンさんが着用されてました。
2020年のフィリップスオークション”Racing Pulse New York Auction 12 December 2020″に出品され、5,475,000ドル(日本円104円 計算で約5.7億円)で落札されました。
出品したのはポール・ニューマンさんの娘で慈善活動家のクレア・ニューマンさん。
Ref.16520 “Black”
3本目はオークションにまだ出品されてないキャリバー4030を搭載したコスモグラフ・デイトナ 16520の黒文字盤です。
現在どなたが所有されており、どのようなエピソードでポール・ニューマンさんが着用することになったのかは不明です。
Ref.16520 “White”
4本目も同じゼニスのエルプリメロベース キャリバー4030を搭載したRef.16520の白文字盤。
つい先日(2023年6月9日)サザビーズオークション “Important Watches : 9 June 2023 New York” で落札された ポール・ニューマンさんが着用したデイトナです。
1995年、ポール・ニューマンさんはデイトナ24時間レースに参加し、彼のチームはGT-1クラスで1位を獲得しました。70歳で優勝した最高齢の男性だったそうです。
デイトナ24時間レースの優勝者の景品はスティールケースのデイトナですよね、時計ファンの皆さんなら1度は見たことのある刻印入りのアレです。
このモデルはポール・ニューマンさんが以前チャリティーオークションに出品した経歴があり、もう1度買い戻していたと言う逸話があります。
ポール・ニューマンさんにとっても思い出深い時計だったのでしょう。
ロレックスからレースの勝者だけに贈られる記念の刻印がケースバックにあります。
こちらは奥様のジョアン・ウッドワードさんがサザビーズオークションへ他の商品と一緒に出品しています。
16520のホワイトダイアルは、1,143,000ドル(日本円139円 計算で約1.6億円)で落札されました。
Ref.116519 ”White Gold”
最後の5本目になります。
ハリウッドスター セレブらしく最後は貴金属のコスモグラフ・デイトナ 116519 の黒文字盤。
奥様のジョアン・ウッドワードさんがポール・ニューマンさんに贈った3本目のデイトナです。
ホワイトゴールド 116519 のケースバックには今回もメッセージが刻印されています。
「もっとゆっくり運転してね ジョアンより」と念を押された感じがとても面白いですね。
ル・マン24時間レース2位、デイトナ24時間レース1位と、まったくスピードを落とさないレース人生に、きっと奥様も心配だったに違いありません。
それにしてもファーストデイトナから6桁デイトナまで、デイトナの歴史=ポール・ニューマンさんの活動の歴史でもありますね。
奥様の愛も素晴らしい。
このホワイトゴールド 116519は、1,079,500ドル(日本円139円 計算で約1.5億円)で落札されました。
https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2023/a-life-legacy-the-joanne-woodward-paul-newman-collection
他にも身の回りの家具や衣類、レース用のスーツなども競売に掛けられておりますのでご興味ある方はチェックしてみてください。
Ref.6262 “STAN BARRETT”
こちらは番外編。
ポール・ニューマンさんの親友で、ハリウッド映画のスタントマン、ボクサーで空手家、レースドライバーと言うもの凄い肩書のスタン・バレットさんにプレゼントしたコスモグラフ・デイトナ 6262。
1979年 12月にスタン・バレットさんはバドワイザー ロケットカーに乗り陸上で音速を突破しました。
その時に着用していたのも デイトナ 6262。
また、同じくポール・ニューマンさんから送られたGMTマスター1675も同じ左手に着け「2本着け」の状態で運転したようです。
この記録破りの走行の後、ポール・ニューマンさんはその走行を記念してGMTマスターの裏蓋に「STAN BARRETT 739 MPH MACH 1.0106 12-17-79」と刻印しました。
6262含む3本のロレックスが2022年12月サザビーズオークション”PROPERTY FROM THE COLLECTION OF STAN BARRETT”に出品され、デイトナ 6262は 378,000ドル(日本円137円 計算で約5180万円)で落札されました。
まとめ
いかがでしょうか?
「ポール・ニューマンさんが着用したロレックス デイトナまとめ」でした。
ロレックスがポール・ニューマンさんを起用したわけではなく、自然発生的な奇跡でロレックスのデイトナを皆の憧れの時計のシンボルに変えることに成功しました。
当時は特にエキゾチックダイヤルは何年もショーケースに並ぶ不人気モデルだったそうです。
それを奥様のジョアンさんがポール・ニューマンさんの為に愛のメッセージを刻んでプレゼントし続け、大スターでありレースドライバーの腕に巻かれたデイトナが、サーキットウォッチのイメージに定着していくストーリーが素晴らしい。
仮にポール・ニューマンさんが俳優だけでカーレーサーじゃなかったら。
仮に奥様のジョアンさんがデイトナではなくスピードマスターを選んでいたら。
ロレックスにとって、私たち腕時計ファンにとって、今と違った未来があったのかも知れません。
因みに映画「栄光のル・マン」主演のスティーブ・マックイーンさんが、メカニックのHaig Alltounian氏に贈ったホイヤー モナコ Ref.1133。
2020年のフィリップスオークションで、2,208,000ドル(約2.3億円)で落札されました。
こちらも凄い値段です。
マックイーンさんもモナコも人気なのでこの結果になったのでしょう。
やはり、実際に着用されてたのは大きいですね。
それではまた!
【2020年12月12日開催】PHILLIPSオークション ポールニューマン氏のデイトナRef.6263はなんと5.7億円!
#ZENMAIのココ東京