【基本のキ】スピマスプロとエクスプローラー 腕時計の物差しを買ってみよう
Let’s buy a watch “standard”.
話題となっている「スピマスプロとエクワン(エクスプローラー)」。
皆の先生 広田さんが「暴言」と前置きしながらツィートした「通過儀礼としてスピマスプロとエクワンを経験してない時計好きはモグリといいたい」という投稿に多くの時計ファンが反応しました(笑)
私は普通に納得した側なのですが、意外にも(ネタとしても)意見に反する声が多かった印象でした。
広田さんの言わんとしていることは皆わかっているとして、表現の仕方がアレだったんですかね。
さて、何かを買う時に基準になるモノってありますよね。
例えばジーパンなら、デザイン、履き心地、耐久性、歴史、色落ち具合など人それぞれポイントがあると思います。
ブランドだったり生産地だったり、年代だったり値段だったりと選択肢がたくさんある中で「リーバイスの501」は誰もが1度は履いたことがあるアイテムだと思うんです。
例えば即席麺なら、味わい、風味、作りやすさ、食べやすさ、値段、保存方法、メーカーなど好みが沢山あるでしょう。
それでも「日清 カップヌードル しょうゆ味」は誰もが1度は食べたことがあり基準になっていると思うんです。
履いてみて、食べてみて感じた経験を通して、「コレは501より自分にフィットするけど値段は2倍するしすぐ破ける」とか、「少し高いけど中本のカップ麺が日本一旨い」とか基準になる商品に対して差異を判断できるようになり自分なりの選択を容易にしますよね。
一般的であり、数が多く買い求めやすい(買いやすかった)多くの人が経験し判断する基準がある程度一定なのが「スピマスプロとエクワン(エクスプローラー)」なんです。
全然違う例えかも知れません(笑)
ただ、イニシエーションを終えずに「最初の時計がロイヤルオークです」「ランゲ最高」「デイトナの08グリーンやプラトナが欲しい~」みたいな方々は、本当に自分の物差しでその時計を選んだのか?と言ったね・・・小言・苦言を口にしたくもあります。
他人の意見で選んだ時計、損得だけで買った時計、それもアリです。
使ってれば経験値になり回りも見えてくるでしょう。
年長者がオススメするとすれば、この2モデルが最も適してるのも事実だということ。
※因みにスピードマスタープロフェッショナルであって、スピードマスターオートマチックは対象外。
ストーリー、ヒストリー、ブランド、スペック、プライス全てのバランスが非常に良い2点であり、現行モデルであっても腕時計を愛する方なら試す価値はあると思います。
※「コスパ」について考える時は、現行機のデイトナ116500LNより定価が高いか安いかで判断することが私は多いです。
と、言う事で腕時計史に名を残す2つの名作の相場を今回はチェックして、今からでも遅くないから買って使いましょう!って記事です。
どちらも2021年にモデルチェンジ(私の予想ではエクスプローラーも今年モデルチェンジ)すると相場が動くので「今のうち」。
ロレックス エクスプローラー
エクスプローラーは90年代のドラマ「ラブジェネレーション」で木村拓哉さんが着用され大ヒット。
それまでスポーツモデルはデイトナ以外はいまいちな人気でした。
90年代はエクスプローラーも10万円台で中古品が売られていました。
バブル期はデイデイトやイエローロレゾールのDJが人気だった時代です。
スポーツモデル人気はイタリア発信で、日本人はゴールド信仰、少し前に中華需要と同じですね。
私が時計を初めて買った1998年にはエクスプローラーは既に人気モデルでしたが、それでも30万円あれば買えたかな。
2000年代になるとデイトナ、ヨットマスターロレジウムの次に高額だったのがエクスプローラーでした。
サブマリーナやGMTマスターはもっと安かったです。
※因みに「エクスプローラー」であって、エクスプローラーIではありません。
Ref.14270(1990~2001)Cal.3000
相場をチェックするためにChrono24を見てみます(Chrono24は税抜き)。
保証書付きの個体は70万円以上しますね。
他のモデルに比べたらまだ安い方なのですが、20年以上前の個体でビンテージでもないのにこんなに高いなんて~って思うか、まだまだ50年は使えるからそんなに高くないぞ!と思うかは人それぞれ。
でもモデルチェンジしたら、もっと高くなっちゃうと思います。
木村拓哉さんが着けたのはこのRef.14270。
Ref.114270(2001~2010)Cal.3130
Ref.114270です。
ムーブメントが改良され一旦完成したエクスプローラーです。
サイズは36mmのままで私的にはグッドサイズ、トリチウム夜光にこだわらなければ114270をオススメします。
値段は14270と変わりません。
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楽天市場での最安保証書あり。
数年前は40万円台でしたけどね。
Ref.214270 前期(2010~2016)Cal.3132
Ref.214270の前期モデル(ブラックアウト)です。
旧文字盤は70万円台後半。
Ref.214270 後期(2016~)Cal.3132
後期モデル(3.6.9夜光)は80万円台半ばの中古相場です。
定価で買えたら687,500円です。
現行機は正規店で買いたいですね。
オメガ スピードマスタープロフェッショナル
スピードマスタープロフェッショナルの「プロフェッショナル」は65年にNASA公式時計となったことでプリントされるようになったんだと思ったんですが、初めて月に降り立った4thモデル(キャリバー321)は64年から製造されてますね・・・
また1970年以降は、“THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON”とともに、“FLIGHT-QUALIFIED BY NASA FOR ALL MANNED SPACE MISSIONS”という有名な言葉が記された最初のモデルです。
キャリバー321搭載モデルはアプライドのΩマークなので4thか5thかはすぐに見分けられますね。
キャリバー321
キャリバー321は、スピードマスターに使用された最初のムーブメントです。もともと、オメガの「シーマスター」コレクションのクロノグラフに使用されていました。キャリバー321は、ひとつの金属の塊から機械加工されたコラムホイールを採用しており、これにより技術的価値を高めています。一般的に、設計と製作において徹底した精度が求められるコラムホイールムーブメントは、コレクターに人気があります。このキャリバーは10年以上に渡り、わずかなデザインの変更を経たのみで、オメガ スピードマスターの重要なムーブメントであり続けたのでした。 <OMEGA HPより>
キャリバー861
1968年に発表されたキャリバー861は、スピードマスターに採用された2番目のムーブメントでした。前のキャリバー321と比べて、このキャリバーは機構がよりシンプルです。コラムホイールに代わり平らなヒゲゼンマイや作動カムの採用など、いくつかアップデートされました。この変更によって均一性が向上した他、より低い生産コストを実現。テンプの振動数は毎時21,600振動に上がり、精度が向上しました。1970年代初めからは、ステンレススティール製クロノグラフブレーキに代わってDelrin®製ブレーキが使用されるようになりました。この低摩擦性ポリマーのブレーキによってムーブメントの寿命が改善されています。 <OMEGA HPより>
キャリバー1861
キャリバー1861は、それまで多くのムーンウォッチに搭載されてきたキャリバー861から順当に発展したキャリバーです。アップグレードにより、耐食性により優れたロジウムプレートが採用されています。キャリバー861と同じ毎時21,600振動のこのキャリバーは、861と同じ作動カムとDelrin®製クロノグラフブレーキが搭載されています。これらによって、クロノグラフ秒車の歯を保護し、摩耗と疲労を避けます。 <OMEGA HPより>
キャリバー 3861
キャリバー オメガ 3861は50時間 パワーリザーブ。
マスター クロノメーターの認証を取得するムーブメントの完成には、4年の歳月が費やされました。サイズはムーンウォッチの前ムーブメントであるキャリバー1861と同じです。キャリバー3861は、パワーリザーブ、クロノメーター性能、耐磁性能の全てにおいて向上しています。 <OMEGA HPより>
今年ムーブメントが変更となり、約50年もスピードマスターの心臓部を担った861系は本当に素晴らしい偉業を達成しましたね。
こちらは友人の3590.50.00です。
私より少し年上の方ですが、就職して初めて買った高級時計だそうで、今でもずっと愛用されています。
因みに名前を見ればわかりますが、初代スピードマスターはモータースポーツ向けに作ったモデル(初代の広告もドライブ的なもの)。
逆にコスモグラフは宇宙を目指したんだと思います。
後にデイトナと名乗りモータースポーツ向けに転身、スピードマスターもムーンウォッチを名乗り転身しました。
腕時計界を代表する2つのクロノグラフですが、稀有な運命が交差しています。
因みにエクスプローラーベースの珍品「スペースドゥエラー」と言うモデルが存在します。
ロレックスはよほど宇宙への憧れがあるのか・・・な?
42mmが大きすぎると言う声を聞きます。
確かに数字だけ見るとかなり大きいですね。
私の手首周りは15.5~16.0cmですが、こんな感じ。
フィットしてますよね。
プラ風防はドーム調なので14mmもありますけど、意外と気になりません。
視認性も良くシンプルで格好良いので、スーツにも合わせることが出来ます。
宇宙でも使えますので、アウトドアでも行けますし、普段使いなら何の問題もありませんね(少しだけ防水性が気になりますけど)
Ref.3590.50.00(ST145-022)(1990~)Cal.861
まだ普通に買えるモデルとして、90年代のスピードマスタープロフェッショナル 3590.50.00(3590-50)です。
本来ST145-022なので厳密には5thモデルなんですけど90年頃にリファレンスナンバー改定があったのでソコからという事にします(ケース裏にシリアルナンバーがあるタイプ)。
キャリバー861、トリチウム夜光がポイントで、とても魅力的。
高級感はまるでありません。
Chrono24をチェック(Chrono24は税抜き)しますと、40万円半ばから・・・
スピードマスターは日本より海外の方が人気が高く国内の方が安く買えます。
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ロレックスと違って保証書の有無はさほど影響しません(もちろんあった方が良いでしょうけど)。
3590.50.00のシースルーバック仕様、3592.50.00です。
ムーブメントは見せるように処理されたキャリバー863。
レマニアベースのムーブメントは輪列がキレイなので見る価値ありますね。
値段は同じくらい。
Ref.3570.50.00(ST145-0022)(1997~2014)Cal.1861
1997年にモデルチェンジしました。
3570.50.00(3570-50)にはキャリバー1861が搭載されています。
初期はトリチウム夜光ですがすぐにスーパールミノヴァ夜光に変更されます。
バックルも何度か変更され徐々に高級感が求められてきているのがわかりますね。
安いものは35万円ほどから見つかります。
同様にシースルーバック仕様の3572.50.00。
ロジウムメッキをされたキャリバー1863が覗けます。
風防がサファイアクリスタルに変更された3573.50.00もラインナップ。
Ref.311.30.42.30.01.005(2014~2020)Cal.1861
311.30.42.30.01.005は先日まで現行機(おそらく生産終了)。
605,000円が国内定価でした。
中古マーケットでは45万円ほどから。
価格コムの並行新品相場も同じ45万円だって、国内相場の方が安いですね。
シースルーバック仕様サファイアクリスタルモデルの311.30.42.30.01.006の国内定価は715,000円。
中古マーケットではじわりと相場を上げて55万円以上となっています。
過去に私が着用してた3rdモデル(ボロボロ)
まとめ
いかがでしょうか?
うまくチョイスすれば2本買ってもまだ100万円以下で手に入ります。
どちらも耐久性もあり長持ちするのです。
何十年も使ってゼンマイが切れるなんて話は稀に聞きますが、あまり故障したという話は耳にしません。
デザインもかなり良いですし、どちらもノーデイトでいつでも簡単に着用できます。
2本あれば毎日交代で使えますし、3針とクロノグラフでも違う味を楽しめます。
探検家と月時計、どちらも長い間多くの人を魅了している素晴らしいモデル。
買って後悔は無いと言い切れます。
聞く話では「買って売ってを繰り返しちゃう」と言う方が多くいるくらいに、この2モデルは戻るべき原点的な存在なんです。
まだ「通過儀礼」未経験の方、是非検討してみてください。
自分の時計の物差しが出来上がりますよ。
一生楽しめる2本で100万円です、10年使えば1年10万円、20年使えば1年5万円、50年使えば1年2万円です。
損得だけで楽しむものではありませんが、大変コスパが良くお買い得ですね。
それではまた!
【2021年新作】オメガ 310.30.42.50.01.001 “ムーンウォッチ” スピードマスタープロフェッショナル42mm キャリバー3861
#ZENMAIのココ東京