
トリチウム・トリチノバ・スーパールミノバ 90年代後半のロレックスを要チェック!アナタの時計はどの夜光?
Tritium? Tritonova? Super Luminova?
はい、今回はロレックスや他のスイスウォッチに使われていた「夜光」のお話です。
インデックスや針、回転ベゼルのマーカーなどに使用され、水中や暗所での視認性を上げるのに重要な「夜光」塗料。
ほとんどスポーツモデルに採用されています。
人体に影響無いとされつつも放射性物質が含まれる「トリチウム」から、日本企業が開発した「ルミノバ」へと切り替わっていったのは1990年代後半になります。
トリチウムの仕様は60年代から。
かなり長く使われていましたね。
現在トリチウムを使用していたモノは光りません(の、ハズです)。
ここに3本のロレックス ダイバーウォッチがあります。
左からAシリアル、Uシリアル、Tシリアル。
1999年頃の製造、1998年、1997年といった感じですね。
Uシリアルあたりからトリチウム夜光→ルミノバ夜光へと切り替わっていったので、Uシリアルの個体にはトリチウムもあればルミノバもあるのですが・・・その中間の個体?も僅かですが存在します。
いわゆる「トリチノバ」(トリノバ)と呼ばれるタイプです。
ロレックスではトリチウムは「T」のアルファベットを文字盤に記載するルールとしていますので、6時位置の文字に注目です。
「T SWISS MADE T」とか「SWISS – T<25」ですね。
Tと書かれている文字盤なのに、今でも光る(ルミノバが塗布されている)と言うのが「トリチノバ(トリチウム表記でルミノバ夜光)」なんですね。
と、言うことで製造の古い順に見ていきましょう。
16610 Tシリアル トリチウム (1997年)
ブラックライトを照射します。
充分に照らしてから・・・
手で覆い暗くします!
まったく光っていませんね。
やはりトリチウム。
夜光はボンヤリも光りません。
暗闇の中で見たら、何も見えないな。
またトリチウムを使用した針やインデックスは、いずれ変色していくことでしょう。
16600 Uシリアル トリチノバ (1998年)
トリチウムの半減期(ヘリウムへと変化)は12.32年とされていますので、1998年から計算すると2010年には光らなくなっているはず(作り貯めしてても同じ)。
ブラックライトを照射!
この時点でトリチウムとやや違うのですが・・・
手で覆うと、違いが明確。
針は交換されていたとしても、文字盤(インデックス)まで光っているのがわかりますか???
SWISS-T<25と記載がありますので、表記上はトリチウムダイアルのはず。
でも暗くなると、こうしてグリーンに光っています。
「トリチノバ」。
文字盤はすでに作ってしまっていた在庫品を使用して、夜光は時代の流れに乗り急きょ変更したのかも知れません。
Tを消す時間が無かったのかな~。
この頃のロレックスは、あまり細かいことを気にしない大らかなメーカーでした。
Uシリアル以外では見たことありませんが真相はよくわかりませんね。
珍しいけど価値はたいして無いと思いますが、価値を決めるのは欲しい人/持っている人ですから。
16600 Aシリアル ルミノバ (1999年)
1999年の製品はルミノバです。
間違いありません。
でも一応同じことをやります。
ブラックライトを当てましょう。
まったく夜光の反応が違いますね~。
手で覆うと煌々と輝きますね。
もの凄く明るいです。
コレがルミノバ夜光。
寄っただけでグリーンになっています。
そしてTの無い、SWISS MADE。
この頃には一部「SWISS」だけの文字盤がありオンリースイスとか呼ばれていたり呼ばれてなかったり・・・
ONLY SWISS・・・なんか寂しい響き。
かなり暗所では光ることがわかります。
スーパールミノバ、N夜光、・・・ロレックスのHPにはクロマライトの記載はあるもののルミノバの記載が見当たりません。
なんて読んでるんだろ?
このAシリアルがルミノバだってことは分かりました。
が・・・コレで、この結果で正解なのかな?
こんな感じで「違い」がわかったかと思うのですが・・・
私の中では、何だかハッキリしていません。
今回のUシリアルは本当にトリチノバなのか?
光るので「ルミノバ」のような気もしますし、ルミノバにしては暗い(光量が弱い)気もします。
まだ少しだけ光っちゃう「トリチウム」の可能性って無いのかしら?
成分分析なんかできたらすぐわかりますけどね・・・
本当のところ、わかる方・・・ぜひ教えてください。
お願いします。
モヤモヤしてます。
ではまた!
#zenmaiのココ東京