Help me identify my grandpa watch
今回はアメリカ発 世界最大級の掲示板Redditのスレッドを覗いていく内容となっております。
いつものようにボヤっとRedditを見てたら手が止まりました。
タイトルは「おじいちゃんの時計を特定するのを手伝ってください」。
添付の画像には金無垢の腕時計がハンカチの上に置かれております。
どれどれ、ポチっと拡大すると・・・・・・・・・・
「え?」
ロレックス?
そうなんです。
ロレックスの王冠マークがしっかり12時位置に鎮座しております。
ロレックスのトリプルカレンダームーンフェイズ金無垢と言えば、ホーリー・グレイル Ref.6062を思い起こさせますよね。
超希少な伝説の腕時計ですよ。
ですが「OYSTER」の文字がありません。
Ref.6062はオイスターケースなので、これが本物だとしてさらに古いノンオイスターケースのRef.8171の可能性。
ロレックス パデローネ・・・ヤバ。
と言うことでスレッドを読んでいきましょう。
「My dad wants to sell his fathers watch, he passed away in 1986」
投稿主の父親が、40年前に亡くなった祖父の形見を売りたがってる、そんな感じでスタートしています。
見た感じ、非常に保管状態も良く、ネイビーのリザードストラップも良い雰囲気。
残念ながら画像は1枚しかないので、これだけで判断していくしかないのですが、みんなはどう思っているのか。
チェックしていきましょう。
>「ロレックスのムーンフェイズは本当に希少で、以前『アンティーク・ロードショー』という番組に持ち込まれた個体があったのですが、鑑定士が『製造されたのはおよそ1,000本程度しかない』と言っていたと思います。」
>「そのうちゴールド製は約400本しか製造されておらず、おそらく“ポルトガル語の日付表示”を持つ個体はこれが唯一ではないかと言われています。製造期間は1949年〜1952年頃。過去最高額は2013年のクリスティーズで約110万ドルで落札された例で、これはゴールドではなく、非常に希少なステンレススチール製モデルでした。文字盤もやや異なり、12・3・6・9時位置に4つのダイヤモンドが入った仕様(通称パデローネ)です。状態は良好に見え、水没ダメージもなさそうですね。裏蓋にロレックスのロゴは確認できますか?もし見えない場合、研磨で消えてしまっている可能性があり、それは価値を大きく下げます。
この時計には“6桁ドル(10万ドル以上)”クラスの保険を掛け、クリスティーズまたはサザビーズに鑑定依頼することを勧めます。また、もしお祖父様がこの時計を入手した経緯を示す資料やエピソードがあれば、それを一緒に提出するとストーリー性が評価され、付加価値が高まります。」
と非常に優れた回答が付いておりました。
このクラスのアンティークモデルは手数料は高くてもフィリップス含め大手のオークションに出すのが賢明です。
まぁ出どころ的に、おじいちゃんだったらあり得る、とある程度確信が無いとアレですけどね。非常にニセモノが多いと思いますので。
ただ中途半端なところには出さない方が良いので、やはり大手にドン!が正解です。
>「マジか……それ、相当すごい時計ですよ。ちゃんとプロに鑑定してもらって、保険評価も取ったほうがいいですね。もし自分の推測が合っていれば、ロレックス8171で、余裕で6桁ドルクラスの価値があります。」
ここで、どういった経緯でここにあるのか投稿主が説明しています。
「言い忘れてましたが、1956年に祖父に贈られたんです。」
「簡単に言うと、1956年頃にベネズエラには独裁者がいて(僕らにとってはまたかよって感じですが)、その独裁者より前に議会にいた友人が国外に出なければならなくなり、ニューヨークへ移住しました。祖父はパイロットで、ニューヨークに向かうたびにその友人に新聞を送って、当時の政府情勢を知らせていたんです。」
「父次第なんです。祖父はこの時計に特別な思い入れがあったわけではなく、ティーンの頃に父にあげたんです。父には祖父に紐づく他の品物があって、そっちを時計より残しておきたいと言っています。」
ベネズエラと言えば、最近アメリカがマドゥロ大統領を拘束して話題になりましたね。
ベネズエラの公用語はスペイン語。
彼の画像もカレンダーディスクは英語ではなくスペイン語とも読み取れます。
背景がしっかりしてきました。
ゴールドケースなら約150,000〜300,000ドル(約2,000万円〜4,000万円)は下らないでしょう。
英語以外のカレンダーも過去にありました。
わずか3年しか製造していないにも関わらず、文字盤のバリエーションはいくつかあるようです。
きちんと判断されると良いですね。そして彼の父親が気持ちよく売却できることを。
まとめ
今回話題となっている個体は、ロレックスが1949年から1952年という極めて短い期間のみ製造した、Ref.8171(通称パデローネ) の可能性が高いモデルです。曜日・月・日付を表示するトリプルカレンダーに加え、6時位置にはムーンフェイズを備える、ロレックス史上でも屈指の複雑機構モデルですね。総生産数は諸説あるものの約1,000本前後とされています。なかでも金無垢モデルは流通量が極めて少なく、海外オークションでは状態次第で数千万円規模の評価が付くことも珍しくありません。
さらに今回の個体は、曜日表示がスペイン語表記である点が確認されており、通常の英語仕様に比べて一層希少性が高い可能性を持つ仕様といえます。
1950年代当時、ベネズエラはマルコス・ペレス・ヒメネス政権下にあり、事実上の独裁体制が敷かれていました。政治的混乱により国外へ移住する関係者も多く、ニューヨークなどへの移動が活発だった時代背景があります。
今回のエピソードでは、1956年にベネズエラ関係者から贈られた可能性が語られており、スペイン語カレンダー仕様という点とも整合性が取れます。中南米向けに出荷されたロレックスの一部ロットには、スペイン語曜日ディスクが採用されていた例が、実際にオークション記録でも確認されています。
仮にこれが事実であれば、本個体は単なる希少モデルにとどまらず、当時の国際情勢や人の移動、個人のストーリーを内包した「来歴を持つ時計」となる可能性があります。こうしたプロヴェナンスは、コレクター市場において評価を押し上げる重要な要素になり得ます。
Ref.8171は、フェイク、リダン(文字盤再塗装)、パーツ組み換え個体も多く、外観写真だけでの判断は極めて危険です。ケース内部刻印、ムーブメント番号、文字盤の印字や夜光、針形状、カレンダー機構の構造など、専門的な検証が不可欠です。
特に金無垢かどうか(18金か14金か)、スペイン語ディスクがオリジナルか後年交換か、ケースの研磨履歴などは、評価額に大きな影響を与える重要ポイントとなります。
真価を正しく見極めるためには、信頼できる専門家や、クリスティーズ、サザビーズなど大手オークションハウスによる正式鑑定・評価を受けることが望ましいです。もし由来を裏付ける資料やエピソードが残っていれば、それも価値を高める大きな材料となります。
希少性と物語性を併せ持つ可能性があるからこそ、この時計が正当に評価されることを願います。
もしこの話に進展がありましたら追記していこうと思います。
それではまた!
#ZENMAIのココ東京
