「コスモグラフ デイトナ」化するスピードマスター プロフェッショナル “ムーンウォッチ” のラインナップ

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Comparing the Daytona and Speedmaster

最近スピードマスタープロフェッショナルのラインナップが充実してきたな~なんて思ってたんですけど・・・・、

並べてみると「あれ?デイトナっぽくない?」なんて感じるようにもなりました。

皆さんはどうですか?

高級機械式腕時計ブランドの中でも、クロノグラフと言えば「デイトナ」と「”ムーンウォッチ”ことスピードマスタープロフェッショナル」が2トップと言って間違い無いでしょう。

時計ファンの皆さんの中には、いやいや、ナビタイマーやらカレラやモナコ、クロノマスターだなんだ!と仰るかも知れませんが、一般的な認知度ではデイトナとスピマスなんです。これは紛れもない事実。

そして数字はわかりませんが、おそらく売れているモデルもこの2モデルが上位を占めていると思います。

まさに看板の2大スターそのもの。

ね?では、ちょっと検証してみましょう。

 

デイトナとスピードマスター

この2モデルは1950・1960年代からライバル関係を続けています。

当時はモータースポーツが全盛期。

デイトナやスピードマスターの名前からもドライバー向けのレーシングクロノグラフだったと言うことがわかります。

また国を挙げて宇宙開発に力を入れていた時期でもあり、NASAの宇宙飛行士の装備に選ばれることは大変な名誉だったことでしょう。

デイトナはコスモグラフと名付けられ、宇宙へ行くことを夢見てたはずです。

しかし結果的にはスピードマスターがNASAの公認となりプロフェッショナルの名が後に足されました。

逆に、コスモグラフは地上での人気クロノグラフへの道を進んでいくこととなります。

 

近づくラインナップバリエーション

'FLOATING LOGO NERO OYSTER ...

80年代になると、クォーツ革命からの回復が顕著になっていきました。イタリアやアメリカを中心とした機械式腕時計の復権です。日本もバブル景気となりカルチェやローレックスが人気になります。お父さんやお爺さんが持ってませんか?

この頃、ETAなどムーブメントメーカーもグループ傘下となっていたオメガは、自動巻きのムーブメントも試しますが手巻きのムーンウォッチとは別のラインとして成長させていきます。

ロレックスはと言うと、クロノグラフはデイトナ1本で、素材などを駆使し高級化を図りました。そして手巻きのバルジュームーブメントを止め、ゼニスの自動巻きクロノグラフムーブメント エルプリメロを採用します。やっぱり自動巻きは便利なんですよね。

18K 'DIAMOND JELLY LACQUER ...

手巻きと自動巻きを分けてしまったスピードマスターと、1つを突き詰めてアップデートしていくデイトナ。結果として90年代は圧倒的にデイトナが人気となりました。

この頃、タグホイヤーやオメガは海外旅行・免税店でのお土産のイメージで、高級ブランドのエントリーとして人気が高かったと思います。

ロレックスは木村拓哉さんが着用しスポーツモデルに人気が出るまでは(95年くらいまでは)コンビネーションのデイトジャストが人気で一生モノとして購入される方がほとんどでしたね。

オイスターケースの作りが秀逸で、やはり壊れないのは信頼性も上がります。

Speedmaster Steel on steel ...

スピードマスターは「NASA」との関りが強くスペックを維持するために「ムーンウォッチ」は簡単には変えられません。

何かを変えるのであれば、デザインを流用した自動巻きでバリエーションを増やしていくしか、当時は選択肢がなかったのかも知れません。

オメガ スピードマスター シューマッハ 3519.50...

そしてオメガは高級化よりも大衆化に舵を切ったと感じました。

より手が出しやすく、よりコストを抑え、より多くの人が愛用するモデル、スウォッチ的な思考と言いますかロレックスとはまるで異なります。

因みに、この頃はデイトナ以外は当たり前のようにロレックスもオメガも定価以下で取引されていましたし、サブマリーナーデイトなど中古では10万円台も普通でした。

18K WG OYSTER PERPETUAL COS...

2000年代になると、ロレックスも念願の自社製自動巻きクロノグラフムーブメントを開発し完全オリジナルなデイトナが誕生します。

相変わらずスティールのデイトナは枯渇してプレミアム価格でしたが、まだまだエクスプローラーもGMTマスターIIも定価以下で買えました。

デイトナは更に高級路線となり、お金持ちは金無垢のデイトナを買うのがステイタスになっていました。アユこと浜崎あゆみさんがデイトナビーチを着用していましたね。

LEGEND Steel on steel 3507....

デイトナに遅れること15年、ようやくスピードマスターも高級化を図ります。オートマチックにガッシリした凝ったモデルがラインナップ。レジェンドやレーシングなどNASAと切り離された地上のスピードマスターの種類を増やしていきます。

2000年代は腕時計人気が高まっていて、フランクミュラーやパネライ・ウブロなど新しい高級ブランドが台頭していました。

高い=格好良い=人気、このようなイメージが腕時計を取り囲み、IWCやゼニス、ブライトリングなども高級路線へと舵を切ります。

コスパの良いモデルを多くリリースしていたオメガは後手に回りました。似たようなモデルでもロレックスとオメガでは人気もセカンドマーケットの相場も大きく離されることに・・・そして冬の時代の幕開け「リーマンショック」が起きます。

この頃はロレックスでも売れませんでしたね。

2010年代中盤から始まる「腕時計バブル」までは、腕時計は長く日の目を見ませんでした。

復活のきっかけは中国の不動産バブルにより高級品が売れ始めたことでした。日本でも「爆買い」が巻き起こります。

また、2015年には安価な腕時計が売れなくなるキラーコンテンツ「アップルウォッチ」が誕生します。

腕時計メーカーは荒波で舵取りをしなくてはいけなくなりました。追い風が吹いてきてますが、今後の方向性が非常に重要になります。

安い商品はスマートウォッチやG-SHOCKには勝てない。しかし、いきなり既存のシリーズを高く売るのにも納得できる説明が必要だ。各社、かなり頭を悩ませたでしょうね・・・

高級路線に乗っていたロレックス・デイトナには、かなりの追い風となりましたが、オメガ・スピードマスターはどうでしょうか?

意外にもスピードマスターも絶好調になります。

トリロジー、SNSやメディア、オリンピック、スヌーピー、新ムーブメントと、段階を踏んで一気に波に乗りました。コツコツやってきたことが花を咲かせます。

空前のオメガブーム、スピードマスターブームが起こりましたね。

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私の知っている限りスピードマスターが定価以上になるなんて今まで皆無でしたし(スヌーピー第1弾やアラスカですら余っていました)、未だに信じられません。

そして定価が100万円オーバーになったムーンウォッチも信じられません。

しかしオメガの高級路線は徐々にですが、うまく受け入れられています。限定商法やアポロに頼らないスタイルも好評です。

ただ、自動巻きは棄てました。ここがどうなるか今後が気になります。

 

ラインアップの比較

金無垢グリーン310.60.42.50.10.001の登場で、デイトナ116508グリーンを意識してるのかな?くらいに思い始めましたが、

まぁトレンドカラーだから被ることもあるよねと、疑いを押し込めましたけど・・・

スピードマスタープロフェッショナル ホワイト文字盤のレギュラー化で決定的になりました。こりゃ、やったな!

こうして並べてみると、まだまだデイトナの方がバリエーションが豊富ですが・・・

スピードマスターのラインナップを見ると絶対に意識して組んでいるのが伝わってきます。

間違いじゃないんです。売れているのを模倣するのは戦略として正解ですよね。

それならばと、比較していきましょう。

サイズはどれも同じですがデイトナが40mm、スピードマスタープロフェッショナルが42mmです。どちらもデイト表示はありません。

防水は100mのデイトナ、50mのスピードマスターですが、耐磁性に関しては15,000ガウスまで耐えうるMETAS認定のマスター クロノメーターが有利でしょう。あとは自動巻か手巻きかと言う面ですね。

126500LNは 2,176,900円、310.30.42.50.04.001は1,254,000円と値段は2倍近くデイトナの方が高いですが、セカンドマーケットの相場で見ると500万円と150万円くらい違いがあります。

ストラップを選べるのはオメガだけ。

コンビネーションのレギュラーモデルはスピードマスタープロフェッショナルでは初、今年の新作でイエローゴールド(ムーンシャインゴールド)コンビ 310.20.42.50.02.001の国内定価は2,794,000円。デイトナ126503は 2,933,700円と、2つの差がほとんど無くなりました。

定価以上になるデイトナと、定価以下になるスピードマスター。

スピマスにはピンクゴールド(セドナゴールド)とのコンビネーションモデルもありますが、デイトナにはエバーローズゴールドとのロレゾールはまだありません。

続いてホワイトゴールド無垢ケースにストラップの組み合わせです。

カノープスゴールド 310.63.42.50.02.001 は5,742,000円、デイトナ 126519LN は 4,814,700。遂に定価が逆転です。

オメガのゴールドはちょっと高めの設定ですね。

オメガからも40,000円ほどでラバーストラップも販売しています。

イエローゴールド無垢のデイトナ 126508 は 5,941,100円、ムーンシャインゴールド無垢のスピマス 310.60.42.50.10.001 は6,578,000円。

オメガの方が60万円もお高い・・・どちらも220グラムほどなので金の量ではないんですよね。

12系になったデイトナには「グリーンカラー」はまだありません。

ダイヤモンドモデルの比較です。

36個のトラペーズカットダイヤモンドベゼルの126595TBRは18,474,500 円。

セドナゴールドの310.55.42.50.13.001は7,425,000円と、ダイヤモンドモデルに関しては高級路線を先に進んだロレックスの方がゴージャスです。

セカンドマーケットの相場がどちらもよくわかりませんが、オメガは6割7割がいっぱいいっぱいでしょう。

デイトナはワンチャン定価以上、いや絶対に定価以上でしょう。

50周年に誕生したプラチナのデイトナは現在までモデルチェンジしながら継続中。アイスブルーダイヤルが特別です。

126506の国内定価は 10,992,300円。ブレスレットもプラチナ950製。280グラムもあります。

キャリバー321を搭載したプラチナケース + レザーストラップの311.93.42.30.99.001は10,065,000円。

321の希少性とプラチナブレスレットを天秤に掛けるとどっちの方が価値あるのかしら???

因みにセカンドマーケットの相場はプラチナデイトナが1700万円、プラチナスピマス(オニキス+メテオライト文字盤)が1000万円ほどです。

どちらも凄い。

 

まとめ

いかがでしょうか?

「「コスモグラフ デイトナ」化するスピードマスタープロフェッショナル”ムーンウォッチ”のラインナップ」でした。

どちらも良いと思います。

デイトナに似せてるなんて言ったらクロノスポーツヨシダスペシャルはどうなのよ?なんてね。

好きな人が買えば良いんですから、外野がワイワイ言う必要ありません。

ただ、オメガはもっと絞った方が良いんじゃないかな?っていつも思うんです。オートマチックのスピマス欲しい人は本当少ないはず。ほぼ皆さんムーンウォッチが気になるわけで、自動巻きが好きならシーマスターでも買えば良いんですよ。

もしくはムーンウォッチを自動巻きにしちゃう。そしてNASAに認めさせちゃう。

高級化も進み、限定販売もだいぶ減りました。渋いプラ風防モデルも残しつつ、どんどんムーンウォッチベースでイカしたモデルをリリースして、皆が欲しくなるように誘導できたら素敵ですね。

関係ないですけど、シーマスター系のクロノグラフは止めた方が良いな。ブレると思います。

凄い2つのアイコンと、コンステレーションね、ここも高級化お願いしたい。

オメガさん、ちょっと話聞いて!

それではまた!

 

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