メーカー希望小売価格を無視できたら「ロレックス転売」は無くなるのか?
ロレックスの価格について
価格はメーカー希望小売価格(税込)です。
価格は予告なく変更することがあります。
ロレックス ウォッチのメーカー希望小売価格以上での販売、および抱き合わせ販売は禁止しています。しかしながら、ロレックス ウォッチの販売は正規品販売店に委ねられており、ロレックスは正規品販売店とお客様との間に介入する権限はありません。
One way to eliminate Flipping.
今回は「転売ヤー」に憤りを感じている方へ、おすすめの記事をご紹介。
Quill & Padの「Flipping Watches: How To Eliminate Both Flipping And The Gray Market」です。
この記事には、転売は悪いことだと思わないけど、無くす方法が1つあるよね!と書かれています。日頃からロレックスの転売について怒ってる方には朗報じゃないですか?
簡単に要約(ChatGPT)しますと、次のような内容です。
腕時計の転売:転売とグレーマーケットを排除する方法
イアン・スケラーニ著(2021年)
転売の問題
高級腕時計の転売(flipping)は、特にパテック・フィリップのノーチラスや特定のロレックスモデルで論争を呼ぶ。著者自身はあまり関心がなかったが、友人が転売を目的に購入する人が多いと話したことで、考え始めた。
転売が問題視される理由
市場の不公平感:オークションでは、誰でも資金があれば入手可能だが、正規ディーラーの秘密のリストから選ばれた顧客だけが新しい希少な時計(ノーチラスのグリーンなど)を購入できる。
需要と供給の不均衡:ブランドが正規店に需要の高い時計を低価格で販売させることで、転売やグレーマーケットが発生している。
解決策
小売店の自由化:小売店が価格を自由に設定できるようにする。
需要が高い時計は高く売り、過剰在庫は割引販売できるようにする。
これにより、グレーマーケットへの流出を防ぎ、透明性を高める。
結論
時計ブランドが小売店に価格設定の自由を与えることで、転売やグレーマーケットの問題を解決できると提案します。コロナのパンデミックによりオンライン販売が加速している今こそ、柔軟な価格設定を導入する時期であると述べています。
さて、どう思いますか?
私は無理だと思いました・・・
残念ですが次が私の意見・感想です。
メーカー希望小売価格を無視できたら「ロレックス転売」は無くなるのか?
ロレックスのホームページには
「ロレックス ウォッチのメーカー希望小売価格以上での販売、および抱き合わせ販売は禁止しています。しかしながら、ロレックス ウォッチの販売は正規品販売店に委ねられており、ロレックスは正規品販売店とお客様との間に介入する権限はありません。」
と記載があります。
そりゃそうです。強制したら独占禁止法に抵触するでしょう。
とは言え、ロレックスとの関係性を悪化させたくない小売店は、メーカー希望小売価格で販売を続けます。どんなにセカンドマーケットの方が高く取引されててもです。
ロレックスとの取引が無くなる直前であれば、安く売ろうが高く売ろうが小売店の自由になりますが、1番売れるブランドに歯向かってまで「わずかな」利益を追い求めはしませんよね。まさに「ドル箱」なんですよ、手放せるはずがない。
なので、「正規店がメーカー希望小売価格で売りたい!」これが答えです。
良い子でいれば利益が流れ込んできます。続けられる事の方が儲かるのです。
反対にグレーマーケットも無くならないでしょう。卸した腕時計をメーカーが無償で回収してくれるならアレですが、売れなくてダブついた在庫を抱える小売店にはグレーマーケットに流すしか方法が無いのです。メーカー希望小売価格より安くバンバン売るわけにもいかないですからね。
二次流通大手の時計ショップに新古品がズラっと並ぶことがありますが、直接または間接的に換金化されているのです。
小売店は従う外なく、ロレックスには希望小売価格がある以上、その価格が守られます。
ヨーロッパではオンライン販売を禁止してたことで罰金の支払いが命じられましたが、ロレックス側の主張は「ブランド価値を維持するため」でしたので、小売店には様々な圧力(ルール)があるんでしょう。
ですので、ロレックスの意向である以上、転売は無くならない。そう思います。
ChatGPTにも聞いてみる
日本の独占禁止法
日本では、公正取引委員会が独占禁止法を施行しており、再販売価格維持(Resale Price Maintenance、RPM)は原則として禁止されています。以下のポイントが重要です:
強制力のある価格設定の禁止:メーカーが小売店に対して特定の価格を強制することは違法です。
推奨価格の表示:推奨価格(MSRP)を設定すること自体は違法ではありませんが、小売店に対してそれを守るように強制した場合、問題となります。
ロレックスの場合
ロレックスのケースでは、以下のような状況が考えられます:
推奨価格の設定:
ロレックスがMSRPを設定し、それをディーラーに推奨することは問題ありません。
正規ディーラーが自発的にMSRPを守ることは、法的に問題ありません。
強制力の有無:
ロレックスがディーラー契約を通じてMSRPを守ることを強制している場合、これはRPMに該当し、独占禁止法に違反する可能性があります。
公正取引委員会がこのような強制力のある行為を発見した場合、調査や制裁が行われる可能性があります。
ディーラーの自発的な行動:
正規ディーラーがロレックスとの関係を保つために自発的にMSRPを守ることは、強制力がなければ法的に問題になりにくいです。
実際の運用と監視
ロレックスが正規ディーラーに対して価格維持を強制する場合、独占禁止法に抵触するリスクがあります。そのため、メーカーは直接的な価格維持の強制を避け、代わりにディーラーに対するインセンティブやボーナスを通じて希望価格を維持するように働きかけることが一般的です。
まとめ
ロレックスがMSRPを守るよう正規ディーラーに指導することは、その手法によっては独占禁止法に抵触する可能性があります。ディーラーが自発的にMSRPを守る場合は問題ありませんが、メーカーが強制力を伴って価格維持を指示する場合、公正取引委員会の調査対象となる可能性があります。メーカーとディーラーの契約内容や運用方法が法的に適切であることを確認することが重要です。
メーカーより小売店の方が力を持てば価格も自由になりますが、ロレックスの場合は難しいでしょうね。結局、今後も入手困難と転売は無くならないです。主導権は常にロレックスにあり、小売店にも消費者にもありません。
ChatGPTも遠回しに無理だな、と言っています(笑)
ロレックスにはヌキモスが存在しないのか?
ちょっと話は逸れますが、先日話題となった「ヌキモス事件」はご存知でしょうか?
国内の大手スニーカーショップだった「アトモス」は数年前にアメリカのスニーカーショップに買収されました。その価格は400億円に相当します。
一代でアトモスを築いた本明元社長はスニーカー・ドリームで一躍時の人となりましたが、先日悪い方で再び話題になりました。
「ヌキモス事件」を軽く説明します。
本明元社長はアトモスを退社する10年以上前から「定価以上で転売可能な人気モデル」を、一般のお客さんには販売せず、セカンドマーケットに定価以上で卸していたことが暴露されました。パートナーからの謂わば内部告発なのですが、本当であればひどい話です。
「ヌキモス」の由来は、以前からアトモスが人気モデルを事前に抜いているから「抜きモス」と揶揄されついた名前です。海外ではバックドアと呼ばれ頻繁に話題になりますね。
ナイキ→アトモス倉庫→人気モデルは定価で売れたことにして秘密の倉庫へ→2次流通ショップへ定価以上で売却→転売利益を得る(納税しない)
こんな流れのようですがこれ、どこの業界にもある話だと思っていました。
腕時計業界にも「無い」とは言い切れませんよね。支店単位で、会社ぐるみで、色々想像できますけど、「抜きシア」とか「抜きリアス」とか「抜き新堂」などの明かされてない事件があるのかも知れません。
SSデイトナ1本を店頭で売ったことにして、セカンドマーケットに300万円で卸せば、どちらも100万円ずつ儲かります。・・・よね?
まとめ
いかがでしょうか?
「メーカー希望小売価格を無視できたら「ロレックス転売」は無くなるのか?」でした。
結論は「メーカー希望小売価格を無視しません」「メーカー希望小売価格を無視できません」、なので「ロレックス転売」は無くなりません。です。
15年前なら定価以下で買えましが、現在はもう無理ですね。
定価以上で売ってるお店が、まったく売れなくなるまで「転売」は続くでしょう。
ロレックスは年間120万本製造できるそうなので、来年は全部デイトナを作ります!と言っても、それでも定価以下にはならないよね・・・
「転売」が違法にならない限り無くなりませんし、「違法」になるわけないので、結局無くなりません。転売する人を転売ヤーと呼ぶのであれば、転売ヤーも居なくなりませんね。
お金を稼いでセカンドマーケットで買うのが1番早くて良いのかも知れません。
それではまた!
#ZENMAIのココ東京