Imagine the next trend color
今年もたくさんのカラフルな新作腕時計が発表されましたね。
今回は「腕時計の次のトレンドカラーは何だろう?」と題しまして、トレンドカラーについて少し考えて行こうというものです。
今年のIWCの新作にはアメリカの色見本企業パントン(Pantone)とコラボし命名したカラーを採用されていましたが、近年の腕時計は文字盤・ケース・ストラップと「色」にこだわりを感じされるモデルが増えています。
私が腕時計を追い始めた90年代後半は、腕時計のカラーと言えば文字盤が数種類、ケースの素材が数種類、ストラップも地味なものが多かった記憶です。
ブラック、ホワイト、グレーにシルバーが基本色でブルーやピンク、素材にあわせてシャンパンカラーなどがあるくらいでした。
●●限定のレッドだ、イエローだ、なんてモデルがリリースされると「色物」扱いで話題になる感じ。
今の様に「色を楽しむ」風潮はほとんどありません。そもそも「おじさんの趣味」だったからでしょう。一生使えるのが基本だったとも言えます。
腕時計メーカーが「色」に重きを置き始めたのは、いつからでしょうか?
私が少し腕時計に興味を失い、あまり新作を見なくなっていた時期が5年ほどあります。
リーマンショック後からウォッチモンスターで記事を書く頃(2011~2015年)までの期間に変わったように思えます。
いったい何があったのかな・・・?
ブルー
その期間に「ブルー」が流行りだしていたことに私は気づきました。
今までブルーは多くの方が「選ばないカラー」でしたので、何故人気なのか?と。
現在ブルーと言えば高貴なイメージ、爽やかなイメージがあるかと思いますが、10年前なら「海」のイメージしか無かったと思います。
オメガのシーマスター、ロレックスの青サブのインパクトが大きかったからです。
あと「日本」のイメージでもあります。
アクアノートの日本限定、ブルガリのANA限定など、青を採用していました。
特別感があるものの、どちらかと言うと「変わった人」が着けてるイメージです(失礼)。
デカ厚ブーム真っ最中、パネライのルミノールにもブルーがありましたが、とても売れている感じはしませんでした。
ロレックスのアイスブルーは憧れでしたが、デイトナに採用されるまでは「知る人ぞ知る」カラーだったでしょう。
恐らくですが、キーになったのは「ラグスポ」であるロイヤルオークとノーチラス。
この2つのモデルが中国の爆買対象になり、世界中の投機目的に成長するまでの間に「ブルー=格好良い、高い、イケてる」となっていったと推測できます。
2010年までに流行てったメーカー・・・、そうですねフランク・ミュラーやロジェ・デゥブイ、ウブロなどに目立ったブルーカラーはありませんでしたから「流行りのカラーではなかった」と言っても良いでしょう(最近は採用していると思います)。
ですので、ブルーは2010年以降に「来た」カラートレンドと言えます。
5711/1A-001の誕生(2006年)、40周年の15202STエクストラシンのリリース(2012年)、デイトナ50周年のプラチナアイスブルー(2013年)と話題作にブルーが使われていったのは偶然でしょうか?
いえ、作られたものなのかも知れません。
カラートレンドは人為的に作られていますが、腕時計メーカーも話し合いで決めているのではないかと思えるほど一斉に各メーカー「ブルー」を採用していきます。
オーヴァーシーズもブルー、グランドセイコーもブルー、カルティエもブルーです。
ブラックやホワイトよりもブルーのバリエーションがあるモデルはブルーの需要が高くセカンドマーケットの価格も上がります。
闇の時計ギルドが、次はブルーだ!次はグリーンだと指示を出してるに違いないです。
と、なれば「次」は既に仕込まれた状態にあると推測でき、現在のマーケットで見ているモデルに採用されているかも知れません。
グリーン
トレンドカラーと言えば「グリーン」のイメージが強い方もいらっしゃるでしょう。
緑色の腕時計、流行ってますよね。
緑色を前面に出してくるなんて「色物」以外なんでもない・・・なんて思っていたのは20年前の人たち、2003年グリーンサブマリーナーが発表され腕時計ファンたちは度肝を抜かれました。
2003年から後継機の116610LVがリリースされる2010年まで、グリーンを模倣するメーカーはほぼありませんでした(エルジンくらいかな)。
いや、その後も限定モデルに採用することはあっても、レギュラーモデルにグリーンを置くモデルは出てきませんでした。
2007年のミルガウスGV、2016年の116508グリーン、どちらもリリース当初は人気モデルとは言えませんでしたよね。ロレックスはコーポレートカラーなので惜しみもなく使い続けますが、他社が採用すれば「不人気モデル」のリスクと共に「ロレックスの真似」と影口をたたかれることにもなりますので慎重にならざるを得ません。
2017年頃になるとオフショアダイバー、パネライのブティック限定、プロスペックスのダイバーズウォッチなどにグリーンを使い始めます。
ロレックスのグリーンとは違う、黄緑やカーキグリーンでしたので、まだまだ様子見状態だったと言えます。
アワーグラス限定のYGエクストラシンのグリーンはなかなか深い綺麗なグリーンでした。オーデマピゲは結構攻めてくるブランドです。
普通に考えたらミドリって腕時計に使うカラーとして格好良いんですかね?みんな本気で好きなのか怪しいけどねぇ。私もとくに好きじゃなかったですが変わってるのでグリーンサブを買いました(2008年)。
グリーンがトレンドカラーとして決定的になったのは116610LVが生産終了になった2020年。
各社一気にグリーンを採用する方向に舵を切りました。
おそらくその2年ほど前から企画製造はスタートしていると思いますので、116610LV人気に乗っかる決断をしたのでしょう。タイミング良くロレックスは別の決断をしました。
カラフルなバリエーション
2020年に発表されたロレックスの新作オイスターパーペチュアル。とにかくワクワクするようなポップなカラーバリエーションが魅力でした。
他社がグリーングリーンしている間にロレックスが新しいトレンドを生み出します。
今回のトレンドは浸透する速度がかなり速かったですね。
もともとオイスターパーペチュアルはエントリー機としてカラフルな文字盤が多かったですが、2020年モデルたちはコロナ禍に差した光でした。鮮やかなカラーでとても元気になります。
カラフルな展開は女性にも効果的だったと思います。
シチズンのXc、シャネルのJ12、カルティエ、オメガのコンステレーション、ロレックスのデイトジャストくらいしか選択肢が無かった10年前とは一転していますね。
オジサン趣味から高価なファッションアイテムとして浸透してきました。女性でも選ぶ・選べる時代が到来。
貴金属素材と文字盤
ブルーのトレンド、グリーンのトレンド、カラフルなトレンド以外にも、フィットするカラーが以前からあり各メーカーに採用されています。
何にフィットするのか?
そう「素材」です。
イエローゴールドケースにはシャンパンカラー、ホワイトゴールドケースにはグレー、人気のピンクゴールドケースにはピンクやブラウンがフィットするカラーです。
ステンレススチールケースには採用しないカラーの方が貴金属を所有する優越感が増しますね。
ロレックスのアイスブルーがそれです。
ティファニーブルー
ティファニーカラーや、それに近いターコイズブルー・スカイブルーと呼ばれる水色は、「ブルー」とは異なります。
火付け役は2020年のオイパぺです。
が、
爆発的なブームを引き起こしたのは、ノーチラスのティファニーコラボモデルが超高額で落札されたことが発端です。
これにより100万円台後半だったオイスターパーペチュアル41のターコイズブルーが400万円に跳ね上がります。
徐々に各メーカーはネイビーや深いブルーとは違う方向性のライトブルーを展開しだしています。
これからもドンドン増えそう。
さわやかで良いですが、少し高級感からは離れていきます。
新しいトレンドカラー
今までのトレンドカラーを見返してきましたが、何かヒントはあったでしょうか?
またモノクロに戻るのか、新たなカラーに挑戦するのか。
ロイヤルオーク、ノーチラス、そしてロレックスがトレンドカラーを牽引しているのは間違いありませんね。
国内ブランドは「和」テイストが得意ですが、この流れは海外ブランドまでは届かないでしょうか?
海外は七宝や貴石系で勝負しますもんね。
さて、では新しいトレンドカラーの可能性です。
1.パープル・エンジ色
完全なレッドではない赤系は、どうでしょう?
オメガやカルティエは参加しやすいですね。
H.モーザーあたりも得意かも知れません。
2.グレーブラウン・ベージュ
サンドカラーと言いますか、グレーとブラウンの中間色。
うまくやれば高級感も出そうですよね。
3.イエロー・オレンジ
これはカラフル展開で普通に出てきそうですが、とにかく元気になるビタミンカラー。
ビビットなイエローなんて目立つこと間違いなし。
オッサンでも着けられるかは・・・わかりません。
まとめ
いかがでしょうか?
「腕時計の次のトレンドカラーは何だろう? 」でした。
私的にはパープルが熱いと思っています(根拠はない)。
次に来るのは何でしょうね?
多分ロレックス見てれば答えは出るかも知れません。
キャラクターデザイン・・・じゃないことは決まっています(笑)。
皆さんの考えも教えてください。
トレンドカラー予想は難しいですね。
それではまた!
#ZENMAIのココ東京
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