キャリバー1861 / 1863 は生産終了か?生まれ変わるアイコン オメガ スピードマスタープロフェッショナル
昨年のChronos掲載記事にオメガCEOへのインタビューがありました。
マスター クロノメーターになった新型手巻クロノグラフキャリバー3861についても言及されていましたので抜粋いたします。
「3861はムーンウォッチのスタンダードになります。発表初年ということもあり、2019年は限定モデルにのみ搭載しました。アーキテクチャーを見直して、改良を加えたら、量産に堪えうる安定性を得るはずです」。彼は明言しなかったが、1861を載せた現行モデルは、今後大きく縮小されるかもしれない。量産版の3861はオメガらしい時計になるでしょう。大事なのはバリュー・フォー・カスタマー。性能を上げたからといって、法外な価格は付けません。」
この事からもスピードマスタープロフェッショナルのムーブメントはキャリバー1861(シースルー仕様 1863)からいづれキャリバー3861へと切り替わるのだろうと言う事がわかりますね。
海外のフォーラムを覗くと、既にキャリバー1863搭載の311.30.42.30.01.006はオーダー不可となったそうで、確かに国内のマーケットでも311.30.42.30.01.006の相場が上がっているように感じます。
はっきりと生産終了(代理店への卸ストップ)になっているかはわかりませんが、アンダーグランドではそのような動きになっている可能性がでてきています。
そんな情報を汲んでか、311.30.42.30.01.006は昨年からジワリジワリと相場が上がっているのが価格コムのグラフでわかります。
とは言え、国内定価は715,000円なのでまだまだお安く買えますよ。
とにかくムーンウォッチはコスパ最強だと思います。
ロレックスのように使ってたら儲かっちゃうみたいな相場がグイグイ上がっていくことはありませんが、この価格で何十年も満足感をキープできるモデルは他にありません。
ヒストリーとストーリー、スペックが揃った傑作です。
「男なら、腕時計好きなら、1度はムーンウォッチを買うべき」そう言い切れます。
プラ風防が好きなら311.30.42.30.01.005を、ムーブメントが見たいとかサファイアクリスタル風防が安心と言う方は311.30.42.30.01.006を選ぶと良いですね。
ケースがやや小さくなりますが311.32.40.30.01.001 ファーストオメガインスペースも同じキャリバー1861を搭載しており、お買い得に買えるでしょう。
セカンドモデルの復刻版です。
“…the timepiece became known as The Moonwatch, the first watch worn on the Moon.”
さて、海外のフォーラムでも話題になっているのは「キャリバー3861になったら「MOON WATCH」じゃなくなるんじゃないか?」と言った疑問です。
キャリバー861は月に降り立ちプロフェッショナルの名が付くことになった、れっきとしたムーンウォッチです。
キャリバー1861はその改良版でベースは同じもの。
ムーンウォッチと言っても問題無いでしょう。
「オメガ スピードマスター プロフェッショナル クロノグラフ」は、ジェミニ計画から現在の国際宇宙ステーションプログラムにいたるまでのNASAの有人宇宙ミッションのすべてに使用されてきた唯一の装備として、宇宙探査の歴史に無比の地位を築いています。また、1969年にバズ・オルドリン博士が月面に着陸した際にも、彼の腕には「スピードマスター プロフェッショナル」が付けられていました。その時から、このクロノグラフは“ムーンウォッチ”と呼ばれるようになりました。<OMEGA HPより>
NASAのテストに合格し、今でも標準装備品となっています。
が、新たに誕生したキャリバー3861は宇宙に連れて行けたとしても月面は無理でしょう。
同じテストをNASAがすることもないでしょうし、仮にオメガが似たテストをしてそれを「ムーンウォッチ」と呼んで良いのでしょうか?
ムーブメントの外観は似ていますが、パーツは同じものを使わずキャリバー3861専用に新たに製作されたものです。
耐磁性向上、コーアクシャル エスケープメント搭載、マスター クロノメーターと、ムーブメントのスペックアップは目を見張りますが「ロマン」を大事にするスピードマスタープロフェッショナルがムーンウォッチじゃなくなってしまっては一大事。
「真のムーンウォッチ」と言えるのか言えないのか・・・気になるところですね。
オメガCEOは「バリュー・フォー・カスタマー」と仰ってますので、キャリバー3861になったとしても大きな値上げは無いのかも知れませんが、今の様な並行格差が起きないような出荷数調整はあり得そうです。
キャリバー3861がすでに大量生産が可能になってたとしてもです。
少し前までスピマスプロの新品は30万円台で買えるのが当たり前でした。
定価の60%の価格です。
現在のロレックスじゃ考えられませんね。
安売りをさせないように、グレーマーケットに商品が流れないように、「新型」はオメガに管理されるのだと思います。
となると、設定価格はたいして上がらなくとも「定価」で買うしか方法が無くなり、イメージで新作は80万円~90万円程度の相場になるのではないでしょうか?
現在の倍近いとなると・・・私は現行機の311.30.42.30.01.005を買っておいた方が良い気がします。
(これは311.30.42.30.01.005の相場が上がるという事ではありません)
新型スピードマスタープロフェッショナルに望むこと
できれば伝統の外観は買えないで欲しいですね。
しかし、サファイアクリスタル風防だったり、セラミック製のベゼルだったり、キャタピラーブレスレットだったりと、キャリバー3861搭載の限定モデルを見ていると変更される可能性は大いにあり得ます。
いや、良いんです。
高級感も増しますし、耐久性も上がります。
ですので、新型スピードマスタープロフェッショナルはこれで良しとし、旧型のスピードマスタープロフェッショナル(キャリバー1861搭載)も併売して欲しいと思うのです。
武骨なムーンウォッチが良いか、向上した新型が良いかは、ユーザーが選ぶ。
オメガさん、いかがでしょうか?
2021年には新型が発表されると噂されています。
新型コロナウィルスの影響で時期がズレるかも知れませんが、そう遠くは無いでしょう。
キャリバー1861について、詳細がわかりましたら追記していきます。
野口 聡一宇宙飛行士が無事ISSに到着しました。
一安心ですね。
右手には大きな時計が映っています。
今までのミッションでも使用していたX-33 3290.50.00 かも知れませんが、ハッキリと見えませんでした。
NASAと開発したデジアナのスピードマスターがX-33です。
他のクルーも何か着けてますが、わかりませんでした。