ビンテージ・チュードルに迫る!【vs VR】ロレックスに負けない魅力 大人気のスポーツモデル対決
ロレックスの廉価版として1930年代にイギリスで展開されたのがチュードル(TUDOR)です。
イギリス市場をターゲットとしたため、英国人に馴染みのあるチューダー家からブランド名を取り、ロゴにチューダー・ローズ(盾とバラの家紋)を使用しました。
コストをカットするためにロレックスのパーツを流用し、ETA社のムーブメントを搭載して組み立てているモデルが多いのが特徴です。
この辺のプランは実業家だったハンス・ウィルスドルフ(ロレックスの創業者)の手腕が見受けられます。
ロレックスにも劣らないチュードルの腕時計に迫ります。
対決1. 対デイトナ!「クロノタイム」
1970年に登場する2つ目クロノグラフ。
オイスターケースにロレックスリューズ、バルジュー製の手巻きムーブメントを搭載、文字盤は奇抜です。
「モンテ・カルロ」と呼ばれ人気があります。
※モナコ公国のモンテカルロ市のカジノやカーレースから取られた名称でしょうか。
ロレックスでは1964年(1963年)に初代デイトナが誕生しました。
画像の特徴ある文字盤は「ポール・ニューマン」と呼ばれるエキゾチック・ダイヤルを搭載したレアモデルです。
80年代に入り、バルジュー7750を搭載する自動巻きクロノグラフ「クロノタイム」が登場します。
デイト表示もあって便利ですね。
60年代モデル同様にオイスターケース、ロレックスのリューズが使われています。
ベゼルは一般的にプラベゼルと呼ばれる「ベークライト(フェノール樹脂)」とステンレスのモデルがあります。
当時(70~80年代)はバルジュー製手巻きクロノグラフ・ムーブメント名作Cal.727が長く使われていました。
ねじ込み式のプッシャーに変わり防水性が上がっています(50m防水)。デザインが非常に近づきましたね・・・。
Ref.79160/79170/79180が発売されました。
※下2桁の番号がベゼルバリーエション・ナンバーです。
「6」はプラベゼル「7」は回転ベゼル「8」はステンレスここまでのオイスターケースは厚みがあり「カマボコ」「BigBlock」などと呼ばれています。
リューズもロレックスのパーツを流用していて、防水も100メートルと機能充分なモデルです。以降「盾」リューズなどオリジナルパーツのクロノタイムRef792**が誕生し、Ref792**Pで生産終了となりました。
※ゼニス社の名機エル・プリメロをベースにしたCal4030が搭載されています。ベゼルはステンレスのみとなり、手巻きのデイトナのプラステックベゼルモデルが急騰しました。
ヴィンテージロレックス(VR)に比べれば、だいぶ買いやすい価格のヴィンテージチュードル(VT)。
ですが、日本国内では正規販売されていないため数が少ないので
希少価値(探す努力と出合えるタイミングの価値)は海外より高いかも知れません。
ZENMAI的おすすめクロノタイム
ZENMAI的には2つ目のクロノグラフより、こちらの方が好みです。黒・グレー・ブルーの縦目モンテカルロがありますが、やはり黒。
ステン・回転・プラとベゼルは選べますが、ZENMAIはステン。
こちらです。
対決2.対サブマリーナー!「チュードル・サブマリーナー」
後を追うようにチュードルでも展開していきます。
(1953年に それぞれ1stモデルをリリースしています)Ref.7928。
第1世代のサブマリーナではRef7928のMarkIIIで完成をみます。
通称「バラサブ」です。
Ref.5508かRef.5512でしょうか。
まだ100メートル防水のRef5508(Ref5512は200m防水です)。
リューズガードもありませんね。
※TUDORオリジナルはファンを選びます。マークも「バラ」から「盾」に変更されています。スクエアのインデックスに、針も奇抜。
通称「イカサブ」、海外では「snowflake」。ノンデイトモデルはフランス海軍にも納入するモデルになりました。デイトあり(Ref.7928)(Ref 9411/0)とデイトなし(Ref.9401/0)があります。
またベゼルとダイヤルのカラーがブルーとブラックの2色展開があり、
カレンダーディスクは「黒」と「黒/赤」のバリエーションがあるようです。
ZENMAIは9411/0を過去に所有していましたがカレンダーが2色でした。
Submariner Ref. 94010
相当かっこいいですよね?ロレックスより欲しいモデルです!
廉価版Ref.5513(デイトなし)、Ref.1680(デイトありクロノメーター)、
ハイスペックダイバーRef.1665シードゥエラーと複数展開していきます。チュードルの仏軍に対し、ロレックスは英軍に支給することになります。
「Tマーク」と呼ばれ高い人気を誇ります。チュードルはイギリス市場向けに作られましたが、英国はロレックスを選んだのですね。
80~90年代になると再びデザインをロレックスに寄せてきます。
ロレックスのリューズとオイスターケースを使う最後のモデルです。
ムーブメントは変わらずETA社製。
レディースモデルなどもありました。
この後ダイバーウォッチはTUDORオリジナルダイバー・ハイドロノートになります。
ZENMAI的おすすめサブマリーナー
更にカッコいいノンデイト(ドーム風防)をオススメしたいのですが・・・ちょっと変わった80年代のTUDORサブマリーナーをご紹介!
通称「タコサブ」、海外では「Lollipop」。
通常「ベンツ針」と呼ばれる短針に三ツ矢模様がありません。
またフチなしインデックスも同様に白い丸から「タコの吸盤」を連想し「タコサブ」と呼ばれています。
対決3.対エクスプローラーI!「レンジャー」
※プリンスはロレックスのパーペチュアルと同意で「自動巻きモデル」のことです。ロレックスは冒険者用に耐久性・防水性・携帯性・夜光・視認性などが優れたモデルを開発します。
それが「エクスプローラーI」であり、同様にチュードルも「レンジャー」を発売します。最初のモデルは1950年代。
Ref.7995はバラロゴでかっこいい!。
同時期のロレックスはRef.6610かRef.1016のエクスプローラーIです。
年代が近いと見間違えそうですね。
短針の好みで選んでも良いかも知れませんね。
12時インデックスと短針/秒針の形状が違うくらいの「ソックリ」なモデル。
60年代。デイト表示が付いたレンジャー。
ベースはプリンス・オイスターデイト。
Ref.7966。
70年代になると弧を描く「SELF-WINDING」の表記がなくなります。
バラのロゴが「盾」に変わります。
70年代には「レンジャー2」が登場。
ベセルがフルーテッド型になり、ブレスとケースが一体型になっています。
インデックスの数字も何か強い感じがしますね。
「RANGER」表記のあるモデルは複数あるようです。
「ノンデイト」7992、7934、7995、7965、90330、90220
「デイトつき」7964、7966、7990、7996
また、赤サブの様に赤いペイントの「RANGER」も存在していますが本来の物か定かではありません。
ZENMAI的おすすめレンジャー
初代レンジャーをデザイン的には強くおすすめしたいのですが・・・
今回はゴレンジャー好きにもマッチする「赤レンジャー」です。
塗ったの?塗ってないよね?
4.かっこいいから欲しいけど「ビンテージ」ってちょっと・・・
聞くとかっこいいけど取扱いや修理が面倒そうで諦めてる方も多いはずです。実際、日本ロレックスでの修理期間が終わってしまっているモデルばかりだし、現行の機種に比べ耐久性も落ちます。でも・・・かっこいいデザインだし欲しい!
そんなアナタ「朗報です!」よ。ヘリテージシリーズと言う「復刻モデル」があるのです。
Ref. 70330N ヘリテージ・クロノグラフ
初代の特徴のホームベース・インデックスがかっこいい。オリジナルと異なり今風に自動巻きで便利ですね。
また42mmケースで存在感がアップしています。
Ref. 79220B ヘリテージ・ブラックベイ
イカサブの針とバラサブの文字盤をミックスしたようなデザイン。
200メートル防水も当時のサブマリーナーを意識しているのでしょうか。
41mmケースでとてもかっこいいです。
Ref. 79910 ヘリテージ・レンジャー
赤い秒針がモダンな印象です。41mmとやや大きめですが、シンプルで良いですね。
ZENMAI的には38mm程度のサイズで出してほしかったです。残念ながらヘリテージシリーズは現行品ですが、日本国内にはチュードルの正規店がありません。
※日本ロレックスは修理受付はしてくれますが、販売はしていません。
海外旅行や、時計ショップで輸入品を購入することで手に入ります。
レンジャーIIの復刻版と捉えられそうですので、一緒にご紹介。ベゼルがフルーテッドからステンレスとセラミックの混合タイプへと進化しています。
また9時位置のパワーリザーブもポイントですね!
わざわざパワーリザーブ表記をしたかったのは自社製クロノメータームーブメントを搭載し、パワーリザーブが70時間もありますよ!と
誇示したかったからに他なりません。
【追記】バーゼルワールド2016で凄いモデルが出た!
これは書き加えずにはいられません!ちょうどヘリテージのご紹介をしていた流れから・・・
見てください!
来ましたね・・・トレンド・マテリアルの「ブロンズ」ですよ!
渋い、かっこいい。
ダイヤルデザインも肝ってます。
詳しくは「ココ東京」さんの記事をチェックしてみてください。
他にもリベットブレス・モデルだとか、自社製クロノメーター・ムーブメントだとか紹介されています。
TUDOR BASEL WORLD 2016 チュードルがやっちゃった!(追記) – 時計怪獣 WatchMonster|腕時計情報メディア
まとめ
2000年頃にはオリジナルモデルを展開していけるくらいの力を持てるようになり、独自の進化をしています。ロレックスのパーツを使用したモデルが人気があったり、突飛なデザインのモデルがあったりと、とても面白いブランドになっていますね。ロレックスのDNAは深く強く出ていますのでおすすめです。現行のヘリテージシリーズが使いやすく、また価格的にも安価で買い求めやすいコストバリューに優れたモデルがたくさんありますので要チェックです。
<元記事>
https://watch-monster.com/articles/KC6U0
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